教室運営において、生徒数の安定は重要な課題のひとつです。
安定した生徒数を確保するためには、単に集客に力を入れるだけでなく、生徒との信頼関係を築き、学びの継続性を伝えることが欠かせません。
今回は、長期的に安定した教室経営を実現するための方法について、具体的な取り組みを交えてお伝えします。
生徒数の安定が重要な理由
今回は「生徒数が安定する教室の運営方法」というテーマで、お伝えしていきたいと思います。
これまで、約2,500名ほどの教室の先生方にお会いしてきました。
その中には、30年以上経営されている方や、40年目を迎えられる方もいらっしゃいます。
昭和・平成・令和という3つの時代を経て教室を運営しつづけてこられた先生方が共通して持っている特徴のひとつが、生徒との信頼関係が深いことです。
その結果、長く通いつづける生徒さんが多いのです。
信頼関係を深めるための意識的な取り組み
また、こうした先生方は、生徒との信頼関係を深めるための取り組みを意識的に行っているケースが多いと感じます。
例えば、ピアノ教室の先生で30年以上教室を運営されている方は、教室を始めた初期から毎月「教室だより」を作成し、生徒に配布されているそうです。
時代の変化とともに、その内容も進化し、レッスンの出来事やコンクールの話題、日々の気づきなどをまとめて発信されています。
現在では、ブログを活用し、その内容を「教室だより」に転載することで、生徒との接触頻度を増やしているとのことです。
接触頻度を増やすことが信頼構築に繋がる
なぜ、このような取り組みが効果的なのかというと、生徒との接触頻度を増やすことが信頼関係の構築において重要だからです。
例えば、入会して1か月の生徒と、1年、3年と通いつづけている生徒とでは、信頼関係の深さが異なります。
その要因のひとつは、接触回数の多さにあります。
週1回のレッスンのみでは、どうしても接触回数が限られてしまいますが「教室だより」やブログを活用することで、間接的に先生の考えを伝え、生徒との関係性を築くことができます。
さらに、ダンス教室の先生の例では、大人の生徒が多いため、新年会や忘年会、イベントの打ち上げといった場を活用し、レッスン以外での交流を図ることで、接触回数を増やしています。
現代では、ブログやInstagramなどのネットツールを活用することで、レッスン以外の接触の機会を簡単に増やすことが可能です。
学びの継続性を生徒に伝える重要性
つぎに、生徒数を安定させるために重要なポイントとして、学びの継続性があります。
技術を習得する習いごとは、ゴールがないことが特徴です。
例えば、書道や柔道、剣道など、「道」と名のつくものには終わりがなく、つねに自己を高めつづけることが求められます。
現代の習いごと教室においても、この考え方は共通しており、初級・中級・上級といった段階を超えた先には、自身の成長を目的とした学びがあります。
そのため、先生ご自身がつねに成長しつづける姿勢を生徒に見せることが重要です。
例えば、華道の先生であれば、新しい作品を生み出しつづけたり、絵画や音楽など異なるジャンルからインスピレーションを得て、それを自身の創作に取り入れたりすることで、自己研鑽の姿勢を示すことができます。
このように、先生自身が学びつづける姿を見せることで、生徒も「学びには終わりがない」という価値観を持ち、習いごとを継続する動機につながります。
長期的に安定した経営をめざして
こうした取り組みをつづけることで、生徒数の安定につながります。
新規の生徒をtねに集めつづけなければならない状況では、先生がレッスンに専念することが難しくなります。
しかし、入会した生徒が長く通いつづけることで、経営の安定性が増し、より充実した指導が可能になります。
今回お伝えした「接触回数を増やすこと」、「学びの継続性を伝えること」、「先生自身が学びつづけること」を意識しながら、無理のない範囲で実践していただければと思います。
生徒数が安定する教室運営をめざし、ぜひ取り組んでみてください。
ポイント:生徒数が安定する教室の運営方法
信頼関係の構築
生徒との深い信頼関係が安定した生徒数に繋がります。
先生方は意識的に信頼関係を築く取り組みを行っており、例として「教室だより」やブログを活用し、接触頻度を増やすことで生徒との関係を強化しています。
接触頻度を増やすこと
レッスン以外での接触機会(イベントやオンラインツール)を活用することが効果的。
生徒との接触回数が増えることで、信頼関係が深まり、長期的に通いつづける生徒が増えます。
学びの継続性
習いごとに終わりがないという考え方が、生徒の継続的な学びの動機に繋がります。
先生自身が学びつづける姿勢を示すことが、生徒に「学びは成長しつづけるもの」という価値観を伝え、継続的な学習を促します。
経営の安定
新規生徒の集客に依存せず、長く通いつづける生徒を育てることで、教室経営が安定し、充実した指導が可能となります。
まとめ
生徒数を安定させるためには、信頼関係の構築、接触頻度の増加、学びの継続性を伝えることが非常に重要です。
生徒との関係を深め、先生自身が成長しつづける姿勢を示すことで、生徒が長期的に通いつづける環境を作ることができます。
このような取り組みを通じて、新規生徒を常に集める必要がなくなり、経営の安定性が増し、充実した指導が可能になります。
無理のない範囲で実践し、安定した教室運営を目指しましょう。