【教室経営×教育トレンド】2030年の学習指導要領から読み解く「未来の教室」のつくり方

「教室の未来を見据える――教育トレンドから学ぶヒント」というテーマでお伝えしていきたいと思います。

ビジネスにおいて時代の流れを読むことは、極めて重要だと考えます。

例えば現代において、仮にDVDプレーヤーだけを販売しても、かつてほどは売れないでしょう。

少なくともDVDとハードディスクが一体化した録画機能付き製品など、付加価値がなければ、なかなか選ばれにくい時代になっています。

このため家電メーカーでも、いわゆる“再生専用のDVDプレーヤーのみ”を主力として販売するケースは、かなり減ってきているのではないでしょうか。

なぜなら、映画やドラマをDVDで視聴する機会が、全体として明らかに減ってきているからです。

飛行機や新幹線などの移動中でさえ、スマートフォンからAmazonプライム・ビデオやNetflixなどの動画配信サービスを通じて作品を楽しむのが一般的になりました。

結果として、DVDプレーヤーの需要は現代では相当に低くなっているといえます。

このように時代の流れを読み違えると、ビジネスはうまくいきません。

したがって、先ほどのDVDの例を踏まえると、これから時代がどのように動くのかを、ある程度予測する姿勢がやはり大切だと考えます。

未来を見通すための視点「学習指導要領」

予測するという行為は、たとえるなら天気予報に似ています。

朝出かける前に「夕方から雨」と聞けば傘を持って出かけ、実際に雨が降っても濡れずに帰ってこられます。

適切な予測ができれば、適切な対応ができ、問題なく対処できるのです。

では、未来をどのように見通せばよいのでしょうか。

方法はいくつも考えられますが、今回私がお伝えしたいのは「学習指導要領」というひとつの情報源です。

学習指導要領とは、全国の公立小学校・中学校・高等学校の指導内容を定める基準であり、私立・市立の学校においても教育内容の基盤として参照されます。

文部科学省が定める全国の学校教育のカリキュラム基準であり、この基準があることで、どこに住んでいても子どもたちは一定水準の教育を受けられます。

学校は学習指導要領に基づき、各教科の目標や内容を定めます。

さらに、社会の変化に対応するため、学習指導要領はおよそ10年ごとに改訂されます。

現在の学習指導要領は、2020年から段階的に実施されています。

次の改訂は、概ね2030年頃になると見込まれています。

学習指導要領は「未来をつくる国家プロジェクト」

では、なぜ学習指導要領が未来を予測するためのツールになるのでしょうか。

ここについては、私なりの考えがあります。

私は今、2025年にこの話をしていますが、文部科学省ではすでに次期改訂に向けた有識者による検討会議が進められています。

改訂時期を2030年頃と見据えるなら、今から準備を始めるのは当然といえば当然です。

しかし、よく考えるとこれは驚くべきことでもあります。

というのも「2030年代の日本社会はこうなるだろう」という見通しのもとに、「だから2030年代の教育はこうあるべきだ」と決める作業を、私たちは2020年代の現在進行形で行っているからです。

より正確にいえば、2030年代の教育を“予測する”のではなく、“設計し、つくり出している”のです。

未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ――この言葉はまさに学習指導要領の策定に当てはまります。

学習指導要領は文部科学省を中心に、すなわち国の政策として策定されます。

国の政策である以上、その内容に基づいて教育関連の予算が国家予算から配分されます。

その際には、農業や医療など他分野の予算との兼ね合いも踏まえて調整が行われます。

したがって、学習指導要領を読み解くことで、これからの日本全体がどの方向に進もうとしているのか、何に力点を置こうとしているのかが見えてきます。

私自身、これまでの学習指導要領の内容を踏まえつつ今後の変化を考え、クライアントである先生方に助言を行ってきました。

学習指導要領は、未来の社会を担う子どもたちを育てるためのカリキュラムです。

つまり、未来の日本が豊かになるための知識やスキルを子どもたちに与える設計図が、現在の教育なのです。

とするならば、それを教える先生や大人も、子どもたちに指導できるだけの知識やスキルを備えておく必要があります。

これからの時代に必要な力を子どもに教えるためには、大人が先に身につけていなければなりません。

指導者自身の学び直しが求められる時代

場合によっては、現時点で大人側が十分に持ち合わせていないスキルが求められることもあります。

一例として、中学校の体育では2012年度からダンスが必修化され、授業にヒップホップやストリートダンスが取り入れられました。

その際、指導に備えるために中学校の体育教師が外部のダンススクールの先生から学ぶ、といった取り組みが実際に行われました。

これは、これからの時代に必要とされるスキルを子どもに身につけさせるため、指導者自身が学び直しを行った例です。

ダンスは分かりやすい例ですが、同様に今後は他の教科・領域でも、新しい知識やスキルが広く求められてくるでしょう。

2030年代の学習指導要領に基づいた教育が展開されれば、大人が新たに身につけねばならないスキルも、当然のように現れてきます。

また、学校で学ぶ内容は家庭の会話にも大きな影響を与えます。

保護者が子どもにある行動を促した際に、「学校の先生はこう言っていた」「授業ではこう学んだ」と、学校と家庭の価値観にずれが生じることも起こり得ます。

ゆえに、国が定める教育方針である学習指導要領に基づき、大人も知識やスキルをアップデートし、価値観の変化に対応していく必要があるのです。

以上の観点から、私は学習指導要領を「これからの未来を読み解くための重要な情報源」と位置づけてきました。

そして、時代の兆しを適切に捉え、教育と社会の橋渡しをすることが、私たち大人に課せられた責務だと考えています。

ここからの本題:教育トレンドを教室経営にどう活かすか

今回は「学習指導要領」そのものを詳しく解説するわけではなく、「教室の未来を見据える――教育トレンドから学ぶヒント」というテーマでお伝えしています。

ここからは、学習指導要領の内容を踏まえながら、それをどのように教室経営へ活かしていけるのかという点についてお話ししていきたいと思います。

まず次にお伝えしたいのは、「これまでの学習指導要領」と「現在の学習指導要領」はどう違っているのか、どのように変化してきたのか、という点です。

従来の学習指導要領――つまり、これまでの教育で重視されてきたことは、シンプルに言えば「どれだけ知識を習得しているか」でした。

言い換えれば、テストの点数で成績や学力を判断するという考え方が主流だったのです。

それに対して、現代、すなわち2020年代の学習指導要領では、単にテストの点数や成績だけで学力を評価するのではなく、評価の基準そのものが大きく変わってきています。

「生きる力」重視への大きな転換

この変化を象徴する言葉が、文部科学省の公式ホームページに掲載されています。

そこには次のように書かれています。

生きる力 ― 学びの、その先へ。
学校で学んだことが子どもたちの“生きる力”となり、明日に、そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会がどんなに変化し、予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断し、行動して、それぞれが思い描く幸せを実現してほしい。
そして、明るい未来を共に創っていきたい。
学習指導要領には、そうした願いが込められています。
これまで大切にされてきた“子どもたちに生きる力を育む”という目標は変わりません。
一方で、社会の変化を見据え、新たな学びへの進化を目指します。

実際に文部科学省のホームページを見ると、「生きる力」という言葉が特に大きく、強調して記載されています。

つまり、現代の教育において「子どもたちの生きる力を育む」ということが、国の教育方針として非常に重視されているのです。

では、「生きる力」とは何でしょうか。

それは単に知識があるとか、テストで高得点を取るといったことではありません。

人生で直面するであろう、さまざまな課題や困難を乗り越えていくための知恵・思考力・判断力・行動力・精神力など、幅広い能力を含めた総合的な力のことを指しています。

生きる力を教室経営に活かした事例

実は、この「生きる力」という概念自体は2020年代以前――すなわち2010年代の学習指導要領にもすでに示されていました。

しかし当時は、まだその考え方が“キャッチフレーズ”的”であり、実際の教育現場では「知識の定着」や「テストの得点」が中心に据えられていました。

つまり、生きる力をどのように育てるか、あるいはどう評価するかという具体的な取り組みは、今ほど重視されていなかったのです。

ここで一つ、私のクライアントの事例をご紹介したいと思います。

クライアント事例:ホームページに「生きる力」を取り入れた結果

私が、先生方のサポートを始めたのは2015年頃からでした。

当時、さまざまな教室の先生方と一緒にホームページを制作し、デザインや構成、制約率の高いレイアウト設計、さらには教室紹介文のライティングなどをお手伝いしていました。

特に、先生にインタビューを行い、教室の理念や魅力が伝わる文章を作成する――いわゆるセールスコピーのライティングを行っていたのです。

そしてその頃すでに、学習指導要領の中には「生きる力」という言葉が明記されていました。

私はその理念を意識して、教室紹介文の中でも「生きる力」という言葉を積極的に取り入れるようにしていきました。

例えば、子ども向けのピアノ教室では「ピアノが上達するだけでなく、音楽を通して子どもたちが未来を切り拓く“生きる力”を育ててまいります」というような表現を使いました。

当時、このような文言を使っている教室はほとんどなく、結果的に差別化につながりました。

「ピアノの技術だけでなく、将来の力を育ててくれる教室」という印象を与えられたことで、生徒数が大きく増加した教室もありました。

実際、あるクライアントの先生の教室では、私がホームページの制作をお手伝いした翌年には、生徒数が約2倍に増えたという実績もありました。

もちろん、当時から他の教室でも「生きる力」を意識した指導をしていたところはあったと思います。

しかし、インターネットで教室を探す人が増えていた時代において、ホームページ上に「生きる力を育てます」と明記していない教室は、その理念が伝わらないまま埋もれてしまっていたのです。

お客様の立場から見れば「書かれていない=やっていない」という印象を持たれてしまいます。

ですから、先生方の想いや教育方針をしっかりと言葉で伝えることが、集客においても非常に重要になってくるのです。

これは、今の時代でもまったく同じことが言えます。

高校で必修化された「探究」という大きな流れ

さて、話を少し戻します。

2010年代にそのような流れがあり、そして現在――2020年代の学習指導要領では、「生きる力」の後に「学びの、その先へ」という言葉が付け加えられています。

さらに、「これからの社会がどんなに変化し、予測困難な時代になっても、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、判断し、行動し、それぞれが思い描く幸せを実現してほしい」と明記されています。

つまり、時代がますます先を読みにくくなっていく中でも、自ら未来を切り拓いていける力を育てることが教育の目標とされているのです。

私が特に注目しているのは、この中の「自ら課題を見つける」という部分です。

この姿勢を体現しているのが、2020年代から高校で必修化された「探究」という科目です。

以前から一部の高校では「総合的な探究の時間」やそれに類する授業が行われていましたが、2020年代以降、全国の高校で正式に必修化されたことで、その重要性がより明確に示されました。

「探究」の必修化は、まさに“自ら問いを立て、学びをデザインする力”を育てる教育への転換を象徴しているのです。

探究授業が育てる“自ら問いを立てる力”

探究授業というのは何かというと、生徒たちが自ら社会の課題を見つけ出し、それを自分たちで「課題」として設定し、その解決策を主体的に導き出していく授業のことです。

生徒は、学校の内外にいる専門家や地域の人々などの協力や助言を得ながら、「どうすればこの課題を解決できるか」という解決策を考え、その過程と成果をプレゼンテーションという形で発表します。

このような学びの形が「探究授業(探究学習)」です。

社会課題というのは、数学のように一つの正解があるものではありません。

いくつもの正解があり、時には正解がないことさえあります。

したがって、生徒たちは「正しい答えを見つける」のではなく、「自ら正解をつくり出す」ことが求められます。

これは、従来の知識暗記型の教育とは明らかに一線を画す考え方です。

探究授業を通じて生徒たちは、自ら課題を設定し、「自分で解決するぞ」という主体的な姿勢を育んでいきます。

また、その解決の過程では、クラスメートや専門家と協働して取り組むため、対話力や協調性、コミュニケーション能力も培われます。

さらに、発表の場では論理的思考力、判断力、表現力などが求められます。

こうした一連のスキルを育てることが、まさに国が考える「これからの教育の柱」となっているのです。

そして、このような力が実際に育っているかどうかを測るために、学校のテストや大学入試の出題傾向も変化しています。

具体的には、「あなたの考えを述べなさい」という形式の問題が増えています。

従来のように正しい答えをマークシートで選ぶ、あるいは公式を当てはめて解くだけの問題ではなく、考えを自分の言葉で論理的に表現することが求められるのです。

このような問題では、単に知識を覚えているだけでは得点できません。

年号や公式を知っていることよりも、自分の考えを採点者に伝わる形で書けるかどうか――つまり論理力と表現力が問われているのです。

こうして探究授業の導入をきっかけに、教育の目的そのものが「新たな力を育む方向」にシフトしてきました。

メディアにも広がる探究的学びの象徴「博士ちゃん」

この探究的な学びをすでに個人レベルで実践している人たちが、近年メディアでも注目されるようになっています。

その代表的な例が、テレビ番組『博士ちゃん』(司会:芦田愛菜さん、サンドウィッチマンさん)です。

この番組では、小学生や中学生、ときには高校生たちが、自分の興味のあるテーマ――たとえば「お城」「アイドル」「古代エジプト」「恐竜」など――について徹底的に研究・探究し、その成果を番組内で発表します。

ちなみに『博士ちゃん』は、2019年10月に放送が始まりました。

つまり、2020年代の新しい学習指導要領が実施され始めるタイミングとほぼ重なっています。

この点からも、番組のテーマや構成が「探究学習」を象徴していると言えるでしょう。

まさに、今の時代の教育トレンドに沿った番組の一つです。

これからの教室経営のキーワード「自分らしさ」

こうした時代の流れを通じて、私自身が強く感じているのは、これからの社会では「自分らしさ」「個性」「ありのまま」といった価値観が一層重視されていくということです。

結果として、社会のあらゆる面で「多様化」が加速度的に進んでいくでしょう。

すでにその兆しは見えていますが、これからはさらにそれが加速していくと思われます。

こうした時代背景を踏まえると、2025年前後の教室経営における重要なキーワードの一つは、「自分らしさ」だと私は考えます。

例えば、教室のホームページや紹介文で「この教室に通うことで、より自分らしい生き方ができるようになります」といったメッセージを伝えることは、現代の人々の深層的なニーズに響くでしょう。

ピアノ、パンづくり、空手、英会話など、どんなジャンルであっても「その学びを通じて自分らしさを発見できる」「自分らしい人生を歩む力が身につく」といった方向性を打ち出すことで、共感を生みやすくなります。

その結果、問い合わせや入会率(成約率)が上がることも期待できます。

もちろん、実際にレッスンの中でそうした体験を提供できることが前提ではありますが、「自分らしさ」というキーワードを意識的に用いることは、反応を高める効果的な要素になるでしょう。

さらに、「自分らしくなれるレッスンとは何か?」という視点から、レッスン内容そのものを見直し、ブラッシュアップしていくのも有効なアプローチです。

2030年代の教育はどう変わる?数値化・可視化の時代へ

ここまで、2020年代の学習指導要領を通じて教育トレンドと教室経営へのヒントを見てきました。

ここからは、2030年代の学習指導要領を踏まえて、未来の教室・教育・経営について考えてみたいと思います。

すでに文部科学省では2030年代の新しい学習指導要領の実施に向けて、有識者による検討会議が始まっています。

その議論の方向性としては、現行の方針を踏襲しつつ、より発展的な内容にしていくというものです。

特に注目されているのは、やはり「探究授業」のさらなる発展です。

課題を自ら見つけ、設定し、それを解決するために教科横断的な知識やスキルを組み合わせて結論を導く――こうした探究的な学びが、ますます重視されていくと考えられています。

つまり、子どもたちが社会に出たときに「これまで存在しなかった新しい価値を生み出す」ための発想力、実行力、表現力などを育てる教育へと進化していくということです。

これによって、日本発の世界的なサービスやイノベーションが生まれていく可能性も十分にあります。

従来の「正解を求める時代」から「正解を創り出す時代」へ――教育はその方向に確実に進みつつあります。

また、2020年代の学習指導要領で重視され始めた「主体性」や「自ら学び取る姿勢」「人間性を育てる教育」といった観点についても、2030年代には評価のあり方そのものが変化していくと見られます。

もう少し今よりも「主体性」や「人間性」といった要素の評価を、より可視化したり数値化したりする方向で検討が進められているようです。

「主体性」や「人間性」も可視化する時代へ

しかしながら、「主体性」や「主体的に学びに向かう姿勢」「人間性」といったものは、非常に感覚的であり、数値で評価することが難しい領域でもあります。

そのため、どうしても先生方の主観によって評価にばらつきが出てしまう可能性があるのです。

現場の先生たちにとっても、生徒一人ひとりの主体性を丁寧に評価するというのは非常に大変な作業であり、負担が大きくなっているという話も耳にします。

実際、そうした現場の負担増加を取り上げたニュースも見かけたことがあります。

ですので、おそらく2030年代の教育では、この「主体性」などの見えにくい評価を行う際に、さまざまな観点ごとに細かい評価基準を設定し、それらを総合的に分析して最終的に数値化する――そういった仕組みが導入されていくのではないかと思います。

いずれにしても、2030年代の教育における大きなキーワードの一つは、「数値化」「可視化」になると私は考えています。

すでに今の時点でも、数値化や可視化の重要性は指摘されていますが、その必要性は今後ますます高まっていくでしょう。

これまで感覚的で可視化しづらかったものが、テクノロジーの発展によって、どんどん数値化・データ化できるようになっていくと思います。

そうしたデータは「エビデンス」や「データドリブン」という形で活用されていく時代になっていくのです。

考えてみると、「自分らしさ」といった価値観も、定義づけが難しいですよね。

どんな状態が「自分らしい」と言えるのか、それを現状では数値化するのは非常に困難です。

しかし2030年代には、もしかすると「自分らしさ」さえも何らかの指標やスコアで可視化されるようになっているかもしれません。

私は、社会がまさにその方向へ向かって進んでいるのではないかと感じています。

実際、そうした動きを示す事例を最近よく目にするようになりました。

生活に広がりつつある“可視化”の流れ

例えば、数値化・可視化の例として「野球」を挙げてみましょう。

近年、メジャーリーグやプロ野球では、ピッチャーが投げたボールの「回転数」や「回転軸の角度」、さらにはストレートの中に含まれる変化球的な回転成分の割合まで、投球直後に精密に数値化できるようになっています。

それによって、ピッチャーは自分の投球の質を客観的に分析し、フォームの改善や戦略立案に活かしているのです。

しかも、こうした技術はすでに日本の高校野球の現場でも導入され始めています。

つまり、スポーツの世界ではすでに「パフォーマンスを数値で評価する時代」が現実のものとなっているのです。

もっと身近な例で言えば、スマートウォッチで睡眠の質を測定できるようになりました。

同じ8時間眠っても、深い眠りの割合や寝返りの回数などが可視化されることで、「睡眠の質」が数値で表せるようになったのです。

それによって翌朝の体調や集中力といったものを、データで把握できるようになりました。

このように、私たちの生活のあらゆる場面で「可視化」「数値化」が進んでいます。

こうした流れを踏まえると、教育や教室経営の分野でも、感覚的な評価ではなく、成果や価値をデータで示すことがますます重要になってくるでしょう。

例えば、フィットネス系の教室であれば「体重が何キロ減った」「体脂肪率がどれだけ下がった」といった数値を提示するのは当たり前になっています。

今後はさらに「QOL(Quality of Life)=生活の質」そのものを数値化し、「どれだけ生活の質が向上したか」を可視化することも可能になるでしょう。

こうしたデータが、結果的に成約率(入会率)を押し上げることにもつながると考えられます。

教室経営と数値化:成果の見える化が信頼をつくる

もちろん、現時点でも数値やデータを活用した集客は大きな効果をもたらします。

例えば学習塾では、「入塾前のテストの点数が何点から、3か月後には何点に上がったのか」「半年後にはどれだけ伸びたのか」といった具体的な成果データを示すことで、説得力を持たせることができます。

ピアノやバイオリンの教室であれば、「◯◯コンクールで受賞」「生徒の○%が上級資格を取得」といった実績データを提示することができます。

また、ホームページ上で「累計341名が受講」「地域に根ざして30年」といった実績を記載することも、立派な数値データの可視化です。

これらの数値を提示することで、見る人に「この教室は信頼できる」「実績がある」といった安心感を与えることができ、結果として成約率の向上にもつながります。

加えて、「お客様の声」もまた重要な“客観的データ”です。

生徒本人や保護者の方から感想を集め、ホームページに掲載することで、教室の信頼性や権威性が高まります。

実際、近年ではGoogleマップから教室を見つけて来るお客様が増えており、そのときに鍵を握るのが「星評価」と「レビュー数」です。

Googleマップの教室情報には、星5段階の評価と口コミ件数が表示されていますが、評価が高くレビューが多い教室ほど「Googleマップを見て来ました」という新規顧客が増える傾向があります。

これもまた、まさに「数値化」「可視化」が信頼や集客を左右する好例です。

今こそデータを集め始めるとき

したがって、2030年代を見据えて最も重要なことは、今から「データをコツコツと集めておくこと」だと言えます。

データというのは、一朝一夕では集まりません。

「成績アップ」「合格実績」「指導年数」「お客様の声」など、日々の積み重ねによってのみ形成されます。

今のうちからそうした情報を記録し、ホームページやSNSで可視化していくことで、将来それらが大きな資産になるのです。

2030年代には、テクノロジーのさらなる発展によって、こうしたデータが教室の価値を測る新たな指標として活用されるようになる可能性が高いと私は考えています。

ですから、これからの時代のキーワードは間違いなく「数値化」と「可視化」です。

未来の流れを見据え、今のうちから準備を始めることで、時代の変化に左右されない「理想の教室経営」を実現し続けることができるでしょう。

その未来を見通すためのツールのひとつとして、今回は「学習指導要領」をご紹介しました。

ぜひ、先生方の理想の教室づくりに役立てていただければ幸いです。

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