もう随分前のことですが、ネットニュースで“あるお店”のことが取り上げられていました。
みなさんは「小僧寿し」ってご存知ですか?
全国チェーンのテイクアウト専門のお寿司屋さんです。
僕が小さい頃、車でちょっと行ったとこに小僧寿しのお店があったんですよね。
お誕生日とかに、よく買ってもらってた記憶があります。
現在の小僧寿しさん
調べてみると、最盛期には全国に2,000超の店舗があったそうです。
現在は、系列店を合わせて243店を展開中だそうです。
規模は、最盛期から1/8ほどですが今でも、外食チェーンでは大手のようです。
そのニュースを読んでいて僕が個人的に気になったのは、実は小僧寿しさんのことではありませんでした。
ショピングセンターのスーパーは伸び悩んでいる
小僧寿しさんのこと以外に、こんなことが書かれていたんですね。
イオンといったショッピングセンターの売り上げは、スーパー部門の伸び悩みを好調な専門店がカバーしている構造になっており、顧客は同じ建物内にあっても、スーパーと専門店を明確に使い分けている。
これが事実であるなら、まず、ショッピングセンターのスーパーは伸び悩んでいるようですね。
たしかに、ライバルのスーパーと比較してよほどの品揃えや価格差がなければ、わざわざショッピングセンターを日常的に利用しないかもしれません。
また、ショッピングセンターは規模が大きいため、食料品を買うのには広すぎて大変なのかもしれません。
専門店は好調
それに対して、専門店は好調だとニュースには書かれていました。
「専門店」ということは、そこに行かなければ買えないことが多いですよね。
また、専門化した商品は同カテゴリーの商品と比べて高額になる傾向があります。
価格が高くても、買いたくなる。
それが、専門店の魅力なのだと思います。
実はこのことは、教室ビジネスにも当てはまります
例えば、レッスンを専門特化することで、同じジャンルの他教室よりもレッスン料を高めに設定しやすくなります。
これは、今にはじまったことではありません。
「予備校」などは、その典型だと思います。
いわゆる“学習塾”業界であって、対象を大学受験生に定めています。
大学受験レベルの授業となると学問領域としては、高度・専門分野になります。
そのため、中学・高校受験生などに比べると授業料が高くなります。
事実、予備校の授業料って、私立の大学と変わらなかったりしますよね。
英語スクールであれば…
また、英語スクールであれば日常会話のクラスより、英検やTOEICなどの、資格合格をめざすクラスのほうが授業料が高くなる傾向があります。
僕は、とりわけ個人や少人数の先生で行なっておられる教室は、このような専門化した教室経営をオススメします。
専門化したレッスンを提供し、それに見合う、高単価な料金をいただく。
そうして、かぎられた生徒数で教室経営が成り立つことをめざすべきだと考えます。
なぜなら、そのほうが長く安定して経営できるからです。
そして、専門化することで高単価以外にもつぎのようなメリットが期待できます。
専門化のメリット1:やる気の高い生徒さんが集まりやすい
授業料が高額でも参加したい生徒さんは、先生のレッスンを必要とする度合いが高くなります。
・どうしても~~大学に合格したい!
・必ず、~~に受かりたい!
・ぜひ、~~を身につけたい!
そのために“先生から教わりたい”、“先生の教室に通いたい”といった意識で取り組まれる生徒さんが、集まりやすくなります。
そして、いわゆる“やる気”のある生徒さんをレッスンすることは、先生ご自身が“やる気”や“やりがい”を持ちやすいと耳にすることが少なくありません。
先生ご自身が、教室および授業をやっていて楽しいことが教室経営をつづけるうえでの何よりの原動力になります。
専門化のメリット2:成果が出やすい
メリット1に関連しますが、やる気の高い生徒さんは技術の習得や、成果が出やすい傾向があります。
主体的に取り組まれるからですね。
そして、教室の集客において強力な磁力のひとつとなるのは「生徒さんの実績」です。
・~~コンクール金賞受賞
・~~大学合格●名
・生徒作品 etc
こういった実績が、つぎの生徒さんを連れて来てくれる要素になります。
専門化のメリット3:満足度が上がりやすい
高単価なレッスンは、一般的な価格の教室や相場より価格の安い教室よりも、生徒数はかぎられる傾向があります。
しかしその分、生徒さん一人あたりにかけられる時間・労力が増えます。
それは、授業そのものもそうですが授業の準備なども当てはまります。
その結果、より質の高いレッスンが提供できるようになります。
もしくは、よりキメ細やかに生徒さんをサポートできるようになります。
すると、おのずと生徒さんの満足度が上がるようになります。
また、成果が出やすいのはキメ細やかにサポートできることも一因です。
専門化のメリット4:継続率が伸びやすい
そのように、手厚いサポートとそれに伴う成果が得られることが満足度に大きく寄与します。
その結果、生徒さんが長く通いつづけてくれるようになります。
強い信頼感が築ければ、生徒さんは教室に自分の居場所を感じてくれます。
専門化のメリット5:先生の自由な時間が増えやすい
教室経営の一番の問題は「先生の時間がなくなること」です。
生徒さんが増えることがうれしい反面、先生の時間は、どんどん奪われることになります。
そうすると、教室経営のための“つぎの一手”を打つ余裕や時間も奪われかねません。
先生を雇うとしたら…
このとき、新しく先生を雇うという選択肢もあるかと思います。
ですが意外と、新任の先生を教育するために多くの時間を割くことが少なくありません。
しかし、かぎられた生徒数であれば先生の自由な時間は確保されます。
そして、経営のためのつぎの一手を講じることができるようになります。
さらには、指導技術の向上や知識・見識を広げるための時間にも充てていただくこともできます。
それらは、さらなる生徒さんの成果や満足度の向上に還元されるはずです。
専門化するうえでのよく耳にするご不安
ざっと、専門化するメリットを挙げてみました。
これ以外にも、メリットがあるかもしれません。
もちろん、デメリットもあると思うんです。
(僕は、いいことばっかりのことって世の中にあるのかな?と思ってしまいます)
例えば「実際に、どうやって専門化すればいいのか?」とかですね。
それから「専門・特化すると、生徒さんが減るんじゃないか」と、懸念される先生もおられるかもしれません(実際は、ほとんどのケースにおいてむしろ生徒数が増える傾向があります)。
専門化が難しい理由とは?
ですが、僕が多くの先生方と触れ合って感じることは、みなさん本当に優れた技術や知識・経験をお持ちだということです。
けれどそういった特異な要素が、ご本人にとっては当たり前すぎるんです。
そのため、ご自身の価値であったり高単価レッスンの種になることに気づきづらいんだと思います。
自分のことって、自分ではわからないものですよね。
また(誤解を恐れず言いますと)私たち日本人は、過度に謙遜しがちなようにも思います。
そのため、ついつい自分を低く見積もってしまう傾向があるように思うんです。
実は、そういった思い込みが高単価なレッスンを提供する妨げになっているように僕は感じます。
専門化を促進する方法
ちなみに、そのような“妨げ”を払拭する効果的な方法があります。
それは「生徒さんの声」を集めることです。
これは、やってみていただくと実感されると思います。
生徒さんの声は多くの場合、生徒さんがどんなことに満足されているのか?が先生への感謝の言葉とともにつづられています。
それを読むことで、先生がご自身の優れたスキルやレッスンについて気づきやすくなります。
また、誰しも感謝されるとうれしいものですよね。
しかもそれが、生徒さんからの言葉だったら、自信にもつながると思うんですね。
こうした効果をもたらすものが「生徒さんの声」です。
売り上げを伸ばすなら専門化・高単価が早い!
多くの先生が、教室の売り上げを伸ばそうと考えるとき、生徒数を増やすことを一番に考えられます。
もちろん、それも大切です。
ですが、生徒数を増やすことと同じくらい専門的・高単価なレッスンを提供されることをご検討ください。
実は、生徒数を増やすよりもレッスン単価を高めるほうが、売り上げが伸びやすいと、僕は感じます。
そして、売り上げが最適に伸びる結果、心身ともに健全で、最適な教室経営環境をもたらしてくれるようになります。
最後にくり返しますが、高単価レッスンを提供できる技術やご経験を先生はすでにお持ちであることを忘れないでください。
自分自身を信じてください。