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フィットネス系の教室に通う生徒さんたちは、どのような想いで入会を決意するのでしょうか?
「運動不足を解消したい」といった言葉の奥には、もっと深い“本当の動機”が隠れています。
今回は、生徒さんの真の悩みに目を向けることで、教室運営におけるアプローチのヒントをお伝えします。
入会される“本当”の動機をご存知ですか?
「運動不足を解消したくて…」
フィットネス系の教室の先生が、生徒さんに入会の動機を伺ったときのことです。
「運動不足解消」は、入会の動機によく挙げられます。
ちなみに、生徒さんに「入会の動機」を伺うことは、とても大切です。
なぜなら、生徒さんの「悩み」がわかるからです。
しかし「運動不足解消」という動機ですね。
これは、実はよくよく考えると不思議なんです。
なぜなら、現代人の多くは運動不足だと思うんですね。
であるなら、現代人の多くはフィットネス系の教室に通うということになります。
ですが、実情はそうではありません。
教室に通うのは「悩み」がある人だけ
そこで、もう少しくわしく見てみると「運動不足に悩んでいる」という方が、教室に通われていることに気づきます。
逆に「運動不足でも、悩んでいない」という方は、教室には通われません。
それどころか、悩んでいない方は自分でウォーキングするといった行動も起こしません。
何が言いたいかと言うと、人が現状を変化させるために行動を起こすのは「悩みを解消したいとき」なんですね。
人が行動を起こすのは「悩みを解消したいとき」です。
大切なので2回お伝えしました。
本当の悩みは「運動不足」ではない
そして「運動不足に悩んでいる」という方の場合、さらにくわしく見る必要があります。
なぜなら、「運動不足」そのものに悩んでいるわけではないからです。
「運動不足」が原因で生じている“何らかの悩み”があるんです。
例えば「運動不足」が原因で、つぎのような悩みが起きているかもしれません。
- 太って、お気に入りのパンツが履けなくなった
- 筋力が低下し、階段の上り下りがキツく感じる
- 膝が痛い
- 腰が痛い
- 肩こりがひどい
そして、その原因が「運動不足」だと考えていらっしゃるわけです。
そこで「運動不足」を解消したくて、フィットネス系の教室に通うという「行動」を起こすんですね。
運動が目的ではなく、悩みの解消が目的
別の見方をすれば、運動をしたくて通っているわけではありません。
- お気に入りのパンツを履きたくて教室に通っています
- ラクに階段の上り下りができるようになりたくて教室に通っています
- 膝痛や腰痛、肩こりのない生活を手に入れたくて教室に通っています
そのため、運動をしてもお気に入りのパンツが履けるようにならないのであれば通うことをお辞めになります。
ラクに階段の上り下りができなければ、お辞めになります。
膝痛や腰痛、肩こりが改善されなければ、お辞めになります。
なぜなら、悩みが解消されないからですね。
運動が目的ではなく、悩みの解消が目的

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ですので、生徒さんが抱えている「悩み」を理解することは大切です。
では、先生の教室ではいかがでしょうか?
- 生徒さんは、どんな動機があって教室に通われるのでしょうか?
- どんな「悩み」があって教室に通われるのでしょうか?
ちなみに、生徒さんはあまり本質的な答えはおっしゃいません。
冒頭の「運動不足を解消したくて…」といった回答をされがちです。
その場合、先生がさらに質問を投げかける必要があるかもしれません。
例えば「運動不足で、何か困っていることがあるんですか?」といった質問です。
そうすると「最近、太ってきて持ってるパンツが履けなくなってきちゃって…」といった回答を教えてくださいます。
ぜひ、生徒さんと雑談などを交えながら入会の動機を伺ってみてください。
生徒さんの悩みを知ることで、ホームページなどでの反響を高めることができます。
私たちが知りたいことはいつでも、生徒さんが知っています。
声にならない悩みを引き出すコツ
今回ご紹介したような、生徒さんの“声にならない悩み”を理解することは教室集客および経営に大きなメリットをもたらします。
そこで、生徒さんから“声にならない悩み”を引き出すコツをお伝えします。
1. 表面的な回答をそのまま受け取らない
「運動不足を解消したい」といった回答は、表面的なものにすぎません。
これをゴールとせず、「その先」を掘り下げていく姿勢が大切です。
- 「それで、どんな時に困っていますか?」と“困りごと”に焦点を当てる
- 「なぜそう思ったのですか?」と“きっかけ”を尋ねる
2. 共感を示しながら質問する
いきなり核心を突くと、生徒さんが警戒することがあります。
ですので、雑談などから共感を示して信頼関係を築きましょう。
具体的には、以下のような会話が参考になると思います。
- 「私も最近、階段の上り下りで疲れることが増えて…〇〇さんはどうですか?」
- 「パンツがキツくなると、やっぱりショックですよね…。何か対策されたことありますか?」
3. 日常の“変化”を聞く
悩みは「変化」を通じて感じるものです。
過去と今を比較する質問で、自然に悩みを引き出せます。
具体的な質問例として、以下が参考になると思います。
- 「以前と比べて、体の調子や体型はどうですか?」
- 「最近、気になる体の不調や動きにくさはありますか?」
4. 自然な会話の中で拾う
日常のちょっとした会話にも、生徒さんの“本音”は表れます。
なので、雑談や世間話は生徒さんを深く理解する貴重な機会です。
以下のシーンなどで、生徒さんをさりげなく観察してみてください。
- 更衣室でのつぶやき
- ストレッチ中の一言
- 他の生徒さんとの会話中の反応
5. 質問は、一度で終わりにしない

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一回の質問で、悩みの核心にたどり着けることは稀です。
時間をかけて、少しずつ引き出していくという姿勢も大切です。
毎回のレッスンなどで雑談しながら、継続的に以下をヒアリングできるとよいでしょう。
- 月ごとに簡単なアンケートを実施する
- 定期的に「最近どうですか?」と話しかける
- ノートやカルテを活用して会話履歴を残す
まとめ
「運動不足を解消したい」という言葉の裏には、生徒さん一人ひとりが抱える切実な悩みが隠れています。
その本音を引き出すことができれば、より効果的なレッスン提供やマーケティングにもつながります。
ぜひ、生徒さんの“声にならない悩み”に耳を傾け、本当のニーズを汲み取っていきましょう。
それが、長く愛される教室づくりへの第一歩となります。