コロナ禍をきっかけに、消費の傾向やビジネスの在り方が大きく変わりました。
では、この変化の中で、どのような業種や商品が伸びているのでしょうか?
また、教室ビジネスを営む私たちは、どのような工夫をすれば、変化に対応しながらお客様に選ばれ続ける存在でいられるのでしょうか?
今回は、「売り上げを伸ばすヒント」と「コロナの先に残るもの」について考えてみたいと思います。
コロナ禍に、売り上げを伸ばしたビジネスとは?
いろいろ調べてみますと、おおよそ、つぎの3つのどれかに当てはまる業種や商品・サービスのようです。
- 1.巣ごもり消費
- 2.健康
- 3.必要性が高い
1.は、例えば「お菓子」や「ビール」などです。
外食を控える分、宅飲みの需要が高まりました。
また、ネットゲームや動画配信サービスなども大きく業績を伸ばしました。
ちなみに当時、自宅用の「トランポリン」も売れているなんていう情報も目にしました。
いずれにしても、おうちで過ごす時間が増えたことで需要が高まったのだと考えられます。
2.は、サプリメントやトクホなどの機能性表示食品。
ネットニュースでは、乳酸菌飲料の売り上げが伸びたといった記事も見かけました。
3.は、例えば「自転車」です。
満員電車を避けて、自転車通勤に切り替える人の需要が高まりました。
教室ビジネスはどうする?
上記を踏まえたとき、教室ビジネスの売り上げを伸ばした活路のひとつだったのは「オンライン化」でした(一種の巣ごもり消費です)。
しかしかと言って、誰もが「オンライン化」によってうまく行ったわけでもないと思います。
もちろん、いち早くはじめられた方は先行者利益でうまく行った方も多いのではないかと思います。
ですが、コロナが終息した後には売り上げが下がったケースもあると思われます。
必要性がなくなったからですね。
先に挙げた3つのジャンルだってそうです。
コロナが終息した後、必要性がなくなったものは売り上げが下がりました。
もっと言えば、今でも上記ジャンルの中で売り上げが伸びている企業や商品とそうでない企業・商品があるはずです。
売り上げを左右しているのは?
先ほど、コロナ禍に「宅飲み」需要が増えたとお伝えしました。
それによって「ビール」の売り上げが伸びたそうなんです。
ですが、このときお客さまが購入するビールは、普段、飲み慣れているものが多かったような気がします。
もちろん、宅飲みニーズの高まりを機に、いろんな種類を試した方もいたと思います。
ですが、際限なく買えないのであれば、どこかで厳選すると思うんです。
そうなると、ビールとしての価値に「信用」のおけるものを選ぶのではないでしょうか。
とりわけ「箱買い」するならその傾向は強そうです。
ちなみに当時、僕もウチで過ごす時間が増えたんですね。
それで、奥さんにお菓子を買ってきてもらっていました(それまでは、家であまりお菓子を食べていませんでした)。
そしたら、奥さんが買ってきてくれたのが、僕が以前、食べたことがあるものばかりでした。
キャラメルコーンとか、カルビーのポテチ(コンソメ)とか。
これなら僕が満足するという「信用」の高いものを選んでいたんです。
貯信ってご存知ですか?
最近「信用評価経済」という言葉を耳にする機会が増えました。
また、お笑い芸人で絵本作家でもある西野亮廣さんなどは、いくつかの著書で、現代は「貯信時代」だとおっしゃっています。
「貯金」ではありません。
「貯信」です。
「信用」を貯めるということなんですね。
そして、西野さんは現代は「お金持ち」よりも「信用持ち」のほうが稼げるとおっしゃっています。
さらには「信用」がお金に換金できるともおっしゃっています。
コロナの先に残るのは?
話を戻しましょうね。
コロナ禍によって売り上げが伸びたものの中にも、コロナが終息して必要性がなくなったものがあると思います。
ですが、必要性がなくならなかったものも出てきました。
それは、お客さまに「信用」を与えつづけた企業や商品・サービスだと僕は考えています。
例えば、コロナ禍で自転車通勤をはじめた方がいたとしますよね。
それによって、通勤が運動がわりになり体調がよくなったかもしれません。
すると、現在も自転車通勤をつづけている可能性があります。
これは見方によっては「自転車」が、その方にとってのよりよい健康やよりよい人生をもたらす最適な方法だという「信用」を与えたからだと言えます。
もちろん、これだけに留まらず自転車メーカーは、お客さまに「信用」を与えつづけることが大切です。
例えば、自転車でちょっと足を伸ばせば行ける散策地を紹介したり、自転車ピクニックのオススメプランを紹介したら、休日も自転車を活用する人が増えるかもしれません。
もしくは、メーカーが自転車ツアーを企画してもよいでしょう。
そうすると、より高性能なサイクリング車の購入を検討したり、または、ご家族の分の自転車を購入されるかもしれません。
それによって、ご家族との楽しい思い出が増えるかもしれませんよね。
そうすると、その自転車メーカーはお客さまから、さらに、よりよい健康や人生をもたらす存在として「信用」を得ることになります。
さらにその先は、サイクリングウェアやそのスタイリングを提案して売れることも期待できます。
まとめ
コロナ禍で注目された「巣ごもり消費」「健康」「必要性が高いもの」は、確かに一時的に需要が高まりました。
しかし、真に売れ続ける商品・サービスとは「信用を築いたもの」であることが見えてきます。
今後、教室ビジネスを含むあらゆる業種が長く選ばれるためには、ただニーズを満たすだけでなく、お客様に「信用される存在」になることが何よりも重要なのだと感じます。
売上とは、信用の結果。
私たちも「貯信」を意識して、お客様にとって価値ある存在であり続けたいですね。