経営者や教室の先生は、時に孤独を感じることが多いものです。
周りに相談できる人が限られている中で、孤独感はどこから来るのか、そしてその孤独感をどう活用すれば良いのでしょうか?
この記事では、経営者としての孤独感を「癒す」だけでなく、それを「活用する」視点で考えてみます。
孤独が持つメリットを理解し、それを経営や人生の力に変える方法を探ります。
経営者は孤独になりやすい
「経営者は孤独だ」という言葉を耳にしたことがある方も、多いのではないでしょうか。
確かに、経営に関する悩みはなかなか相談できる相手がいないものです。
というのも、そもそも経営者という立場にある人は世の中にそう多くはなく、その悩みを本当に理解できる人も限られているからです。
さらに、身近にいるのが従業員である場合、経営に関する悩みがその従業員自身に関わる問題であることも少なくありません。
そのため、従業員に悩みを打ち明けるわけにはいかない、という状況に陥ることもあります。
孤独を「活用する」という視点
もしかしたら、今この文章を読んでいる方の中にも、孤独を感じている教室の先生や経営者の方がいらっしゃるかもしれません。
また、経営者としての孤独感だけでなく、幼い頃から漠然とした孤独感を抱えてきたという方もいるでしょう。
そこで今回は、孤独感を「癒す」「払拭する」よりも、「活用する」という視点でお話ししたいと思います。
多くの方は、孤独感を「良くないもの」として捉え、「どうにかして解消しよう」と考えがちです。
しかし、孤独感はむしろ活用できるものなのです。
孤独であることのメリット
では、どのように活用できるのでしょうか?
まず考えていただきたいのは、「孤独であることのメリット」です。
もしも孤独が本当に不要なものであれば、私たちは無意識のうちにそれを手放しているはずです。
しかし、長い間孤独感を抱えているということは、何かしらの理由があって、それが自分にとって必要だからではないでしょうか。
そして、その必要性とは、自分の人生や経営をより良いものにするための「材料」になるということです。
メッシ選手の成功に学ぶ
ここで一つの例として、サッカー選手のリオネル・メッシの話をご紹介します。
メッシ選手は、サッカーをあまり詳しくない方でも名前を聞いたことがあるかもしれません。
アルゼンチン代表のキャプテンを務め、ヨーロッパ最優秀選手にも輝いた、まさにサッカー界のレジェンドです。
先日、メッシ選手について調べる機会がありました。
彼には兄がおり、幼い頃から兄たちとストリートサッカーをしていたそうです。
小さい頃は1歳違いでも体格差が大きく、さらにメッシ選手は元々小柄な体型でした。
そのため、兄たちとプレーすると簡単にボールを奪われたり、倒されたりしてしまっていたのです。
しかし、メッシ選手はその状況をネガティブには捉えませんでした。
むしろ、自分が小柄であるからこそ「どうすれば勝てるか?」を考え、プレースタイルを磨いていったのです。
相手を翻弄するために頭を使い、俊敏な動きで相手をかわすことで、大柄な選手にも負けないプレースタイルを確立しました。
つまり、彼は「自分の弱みを強みに変える」という発想を持っていたのです。
この考え方は、孤独感にも応用できます
孤独だからこそできること、孤独だからこそ鍛えられる力があるのではないでしょうか。
孤独を「悪いもの」として排除しようとするのではなく、「自分の武器」として捉え直すことで、新たな可能性が開けるかもしれません。
経営者という立場は時に孤独を伴いますが、その孤独こそが、あなたの経営や人生をより良いものにするための原動力になるかもしれません。
ぜひ、孤独感を味方につけるという視点を持ってみてください。
このように、一見するとネガティブなものって、払拭するものではなく、むしろ生かすものだと考えることができます。
そして、そのような考え方は、メッシ選手のケースからも、なんとなく感じ取っていただけるのではないかと思います。
他者に影響されないことの重要性
それを踏まえた上で、改めて「孤独であることのメリット」について考えてみると、いろんな答えがあると思います。
もちろん、これが正解というものはありませんが、今、私が感じる「孤独であることのメリット」のひとつは、「他者の余計な観念に影響されずに進める」ということです。
言い換えれば、「他者に影響されなくて済む」ということですね。
単純に考えて、ひとりでいると、周囲の影響を受けることがありません。
例えば、友人に「どこそこへ行こうよ」「これを一緒にしようよ」と誘われることがなければ、自分が本当にやりたいことに時間を没頭させることができます。
孤独ではない状態、つまり、親や家族、先生、友人といった人々に囲まれている状態ではどうでしょうか。
特に日本人は「みんなと一緒がいい」という価値観や風潮が強くあります。
そのため、周囲に人がいると、意識的にも無意識的にも周りに合わせようとしてしまい、本当は自分が望んでいないことでも、周囲の価値観や考え方に流されてしまうことがあります。
こうした影響が日常的に積み重なると、知らず知らずのうちに「周りに合わせること」が習慣になり、「本当に自分がやりたいこと」よりも、「周りが望む自分」になろうとしてしまうのです。
これを専門的な言葉で表現すると、「他者基準的な生き方」と言えます。
他者基準的な生き方になると、喜びの判断基準や価値観が、他者の尺度に合わせられてしまいます。
例えば、友人が特定のファッションをしているから自分もそれを着ないといけない、みんなが特定のゲームやスマホを持っているから自分も持たないといけない、といった考え方です。
もし、それが本当に自分が望むものであれば問題はありません。
しかし、周囲に流されて選んでいる場合、それは「他者基準」による選択となります。
この他者基準の生き方が問題なのは、無意識のうちに経済的な判断にまで影響を及ぼすことです。
コロナ禍に、過去最高益になった企業がある
例えば、コロナ禍の時期を思い出してみてください。
あの頃、ニュースでは「経済が落ち込む」「売上が下がる」という話題が連日報道されていました。
他者基準で生きている人は、こうした情報に強く影響を受け、「売上が下がるのは仕方ない」と自ら受け入れてしまうのです。
しかし、実際には、コロナ禍でも過去最高益を出した企業も存在します。
もしかすると、あなたの周りにも、売上を落とさなかった人や、むしろ伸ばした人がいるかもしれません。
つまり、「コロナだから経済が落ち込んだ」というのは、必ずしも真実ではないのです。
確かに、多くの人が「売上が下がる」と言っていたかもしれませんし、影響力のあるメディアもそう報道していたかもしれません。
しかし、それに合わせる必要はありません。
他者基準で生きていると、こうした外部の意見をあたかも自分のことのように捉え、結果的に「売上を落とす」という選択を自らしてしまうのです。
大切なのは、たとえ周囲が「売上が下がる」と言っていたとしても、「いや、自分はこの状況をチャンスにして売上を伸ばそう」と考えることです。
周りに流されず、自分の判断で行動すれば、売上を伸ばせる可能性は十分にあります。
このように、自分なりに考えて行動することが「自分基準の生き方」です。
他者基準ではなく、自分基準で生きることが、経営においても重要だと私は考えます。
なぜなら、自分基準の人は「常識的な発想」をしないからです。
例えば、「コロナだから経済が落ち込む」という情報を見ても、「だからといって自分の売上を落とす必要はない」「むしろ、ここに新たなチャンスがあるのではないか」と考えることができます。
自分基準で生きることで、周囲の状況に左右されることなく、自分の道を切り開くことができるのです。
常識の枠を超える
世の中的には「この状況では売上が下がる」と言われている中でも、自分基準で考える人は「だからこそチャンスなんだ」と捉えます。
つまり、常識の枠の外で思考することができるのです。
多くの人は常識の枠の中で生きていますが、その枠の外にいる人は、俯瞰的・客観的にその常識の枠内の状況を観察できます。
例えるならば、ビルの屋上から道路を見下ろすようなものです。
あるいは、高速道路をヘリコプターから俯瞰するような感覚でしょう。
そうすると、「あそこが渋滞している」「ここに迂回ルートがある」といった情報に気づきやすくなります。
それと同じように、常識の枠の外で考えられる人は、世の中の多くの人がまだ気づいていない不満やニーズをいち早く察知し、それを満たす商品やサービスを提供します。
その結果、もともと常識の枠の外で発想されたものが、やがて世の中の常識やスタンダードになっていくのです。
常識の枠の外で発想した人物:スティーブ・ジョブズ
常識の枠の外で発想してきた人物の代表例として、私はスティーブ・ジョブズを挙げたいと思います。
iPhoneが登場する前、彼はすでにiPodという画期的な携帯型音楽プレイヤーを生み出していました。
iPodが登場する以前、私たちは街中で音楽を聴くためにポータブルCDプレイヤーやMDプレイヤーを持ち歩いていました。
私自身、20年ほど前にはCDプレイヤーを持ち歩いていました。
しかし、1枚のCDやMDに収録できる曲数はせいぜい20曲程度です。
それでも当時は「そんなものだ」と思っていて、特に不満を感じていませんでした。
とはいえ、「別の曲を聴きたい」と思うこともありました。
そんなときのために、3枚や5枚のCDを収納できるホルダーを持ち歩き、曲を変えたいときはその場でCDを入れ替えていました。
しかし、今考えると非常に面倒ですし、CDホルダー自体もかさばります。
持ち歩ける曲数も、せいぜい50〜60曲程度でした。
なのに、当時の多くの人は、それが当たり前だと思い、大きな不満を感じていなかったのではないでしょうか。
少なくとも、私自身はそうでした。
スティーブ・ジョブズの革新的発想
しかし、スティーブ・ジョブズは「これは不便ではないか?」といち早く気づいたのです。
そして、「CDを入れ替える手間がなく、すべての操作をこのデバイス1つで完結できる。しかも、小さくてポケットに入るサイズの音楽プレイヤーがあれば便利だ」と考え、iPodを世の中に送り出しました。
その後、技術が進化し、今ではスマートフォンの中に数千、数万曲を保存できるようになりました。
このように、常識の枠の外で発想できる人は、結果的に世の中を変えるような商品やサービスを生み出していくケースが多いのです。
それは結果的に業績にも跳ね返ってくるため、自分基準で経営する方がうまくいきやすいのではないかと思います。
孤独と自分基準で生きるメリット
この点を踏まえて、今日の「孤独」というテーマに戻ります。
孤独でいることのメリットの一つは、自分基準で生きやすくなることです。
周りの影響を受けない分、自分のやりたいことに集中しやすくなり、「これをやりたい」「あれをやりたい」といった考えを持ちながら成長しやすくなるのです。
また、自分基準で行動し、周囲に影響されないからこそ、常識にとらわれない発想が生まれます。
その結果、多くの人が気づいていない不満やニーズを見出し、それを解消する商品やサービスを生み出したり、行動を起こしたりすることができるのです。
最終的には、世の中を変えていく可能性もあります。
孤独から学ぶ表現力とコミュニケーション能力
しかし一方で、常識の枠の外で発想するからこそ、最初はなかなか受け入れられにくいこともあります。
人とは異なる考えを持つため、孤独を感じることがあるかもしれません。
しかし、それを逆の視点で捉えれば、「人と違う考えを持っているからこそ、相手に受け入れられるための表現力やコミュニケーション能力を磨く機会になった」とも言えるのではないでしょうか。
つまり、孤独であることが、自分の考えを適切に表現し、仲間を作るためのコミュニケーション能力を養う絶好の機会にもなり得るのです。
現代は多様化が進み、インターネットによって世界中とつながっています。
そのため、自分基準で常識の枠の外で発想したことでも、適切に世の中に伝えることができれば、共感してくれる仲間が次々と集まってくる可能性があります。
「それ、いいね!」「私もそう思っていた!」という声が、世界中から届く時代なのです。
孤独を活かして理想の経営を実現する
そう考えると、「孤独でいる方がむしろいいのではないか」と思えるかもしれません。
もし今、孤独を感じているのなら、それはこの時代のためにあえて選んできた道なのかもしれません。
孤独だったからこそ、人とは違う発想ができ、孤独だったからこそ、世の中に受け入れられるための表現力を磨くことができた。
そう考えると、これからの未来がますます楽しみになってくるのではないでしょうか。
ぜひ、「孤独」を前向きに捉え、生かしていただきたいと思います。
そして、「孤独ってサイコー!」と思えるくらい、自分を信じて、これからも理想の経営を実現していってください。
まとめ
経営者として孤独感を感じることは避けられませんが、それを「悪いもの」と捉えるのではなく、「自分を強くする材料」として活用することが重要です。
孤独だからこそ深く考え、周囲に流されずに自分の道を切り開く力を養うことができます。
さらに、孤独が与える「他者基準から解放される力」や、常識の枠を超えて発想できる力は、経営や人生をより良い方向に導く可能性を秘めています。
孤独感を武器に変えることで、他者と差別化されたアイデアや行動ができ、結果として大きな成果を生むことができるでしょう。




