教室を経営していると、ネット集客の必要性を感じながらも「どうやったら地域の人にもっと知ってもらえるんだろう?」と悩むことはありませんか?
今回は、そんな先生方に向けて、地域密着型の教室ビジネスを繁盛させるための「ローカルSEO」の活用法について、詳しくお伝えしていきます。
今日もボリュームのある内容になっていますので、ぜひじっくりとご覧いただけたら嬉しいです。
ローカルSEOとは何か?
まず、「ローカルSEO」という言葉がありますが、これは何かと言いますとインターネットを使った集客の一つの方法です。
「SEO対策」という言葉をご存知の先生も多いかと思います。
たとえば、GoogleやYahooといった検索エンジンでキーワード検索をしたときに、先生の教室のホームページやブログ、SNSなどを上位に表示させる。
そういった対策のことを「SEO対策」と呼んだりします。
その中でも「ローカルSEO」とは、特定の地域に関連する検索結果で上位を目指すための対策のことを指します。
教室を運営されている先生であれば、たとえば「世田谷区 教室」とか「大阪市 体操教室」といったように、地域名と教室のジャンルを組み合わせたキーワードで検索されたときに、先生のホームページなどを上位に表示させる。
それがローカルSEOの目的です。
私自身、これまで多くの教室の先生方をサポートしてきましたが、このローカルSEOというのは、教室ビジネスにおけるネット集客の中でも非常に重要な方法のひとつだと考えています。
なぜなら、ローカルSEOによって検索結果の上位に表示されると、実際に先生の教室に通う可能性の高い人たちをホームページなどに集めることができるからです。
しかも、このSEO対策というのは、先生ご自身でも十分に取り組める内容が多く、コツさえ掴めば意外と簡単に実行できます。
それでいて、費用がほとんどかからないというメリットもありますので、非常におすすめの方法なんですね。
ネット集客の基本:見込み客に届く発信
今日のメインテーマはローカルSEOですが、今の時代、「ネット集客」と言ってもその手法はさまざまです。
ホームページだけでなく、ブログ、YouTube、InstagramなどのSNSもありますし、それぞれに特徴があります。
ただ、どの媒体を使ったとしても、共通して大事なことは、「教室に通う見込みの高い人」に見てもらうことが重要だという点です。
つまり、発信の方向性を意識的に「見込みの高い方」に向けていくことが、成果に直結していくわけです。
なぜなら、インターネットというのは、家にいながらにして世界中の情報が見られる場であり、逆に言えば、先生が発信した情報も、関係のない人たちの目にも触れてしまうからです。
たとえば、現実の街中で言うなら、リフォーム中の店舗の前を通ると、「ここ何か新しくできるんだな」と自然に気づくことがありますよね。
そして工事が進んでいけば、「ここ、カフェができるんだ」「できたら行ってみようかな」と、自然と期待やニーズも生まれてきます。
ネットと現実の違いを理解する
一方でネットの場合、ホームページやInstagramを開設するというのは、例えるなら「人がまったく通らない山奥にお店をオープンするようなもの」なんです。
山頂にお店を作っても、誰もその存在に気づいてくれませんし、完成しても来てくれる人がいないのです。
もちろん、芸能人や大企業のように知名度があれば、人の少ない場所でも注目されることはあるかもしれません。
しかし、私たちのような個人事業主や小規模事業者の場合は、ただホームページを作ったりSNSを始めただけでは、自然に見込み客が集まってくることは非常に少ないのが現実です。
ですので、たとえばSNSを始めた方は、自分のアカウントや情報を見てもらうために、いろいろな人をフォローしたりしますよね。
誰かをフォローすると、相手には「○○さんがフォローしました」という通知が届きますので、そこから教室の存在を知ってもらったり、場合によってはフォローバックしてもらったりすることもあります。
そうしてフォロワーが増えていけば、先生が投稿した内容がより多くの人に届くようになり、結果的に宣伝効果が高まるというわけです。
さらに、SNSの投稿に教室のホームページへのリンクを貼っておけば、そこからホームページへ誘導するという流れも作れます。
そのため、SNSのフォロワー数を増やすことに力を入れて、何百人、何千人と集めている方もいます。
SNSでフォロワーを増やす工夫と注意点
ただ、ここで注意しないといけないのは、「フォロワー数」や「アクセス数」といった“量”よりも、“質”のほうが重要だということです。
特に教室ビジネスにおいては、この「質」が入会に直結するかどうかを大きく左右します。
つまり、どれだけ多くの人を集めたとしても、次の2つの条件を満たしていなければ、なかなか入会にはつながらないということです。
その2つの条件とは、以下です。
- まず1つ目は、「その先生のレッスンを受けたい」と思っていること
- そして2つ目は、「先生の教室に実際に通える距離に住んでいる」こと
たとえば、パン教室の先生がホームページを作ったとします。
そのホームページに訪れる人が「パン作りを習いたい」と思っていたとしても、その人が北海道や沖縄、あるいはアメリカなどに住んでいたら、現実的に教室に通うのは難しいですよね。
つまり、「興味はあるけど、地理的に通えない」人ばかりが集まってしまっては、いくらアクセス数が増えても入会にはつながりにくいのです。
ですので、地域密着型の教室ビジネスにおいては、検索結果やSNS投稿を「通える距離に住んでいて、習いたいと思っている人」に向けて届けていくことが、非常に重要になってくるんです。
2,000名のフォロワーがいる教室の先生
実際に、過去にいらっしゃった僕のクライアントさんで、僕のところに相談に来られる前に、SNSを3種類ほど運用・活用されていた先生がいらっしゃいました。
その3つのSNSで、トータル2,000人のフォロワーに向けて、毎日教室の情報を発信しておられたんですよね。
ご存じの方はお分かりかもしれませんが、フォロワーを2,000名集めるっていうのは本当に大変なことなんです。
100名集めるだけでもすごく大変なのに、その先生は努力を重ねて2,000名まで増やされたんですね。
そして2,000名のフォロワーがいるということは、1つブログ記事を書けば、その記事を2,000人の人に告知できるということになります。
その先生は、その2,000名のフォロワーに向けて、毎日教室の情報を2年間発信し続けていたそうなんです。
では、ちょっと考えてみていただきたいのですが、その2,000名のフォロワーに毎日情報発信を2年間続けた結果、ネット経由で何名の方が入会したと思いますか?
実は、結果は「ゼロ」だったんですね。
1人も入会しなかったんです。
実際には、紹介や口コミなどで入会された方はいらっしゃったのですが、ネット経由ではゼロでした。
転機となったのが、ローカルSEO
それは、先ほどお伝えした「2つの条件」に合致する人たちに情報が届いていなかった、というのが大きな原因だと僕は考えています。
事実、その先生はその後、僕と一緒に集客の方法を見直し、生徒が集まるようになりました。
その中で、今回ご紹介する「ローカルSEO」を取り入れられたんですね。
そして、「世田谷 パン教室」というような、特定の地域名と教室のジャンルを組み合わせたキーワードで上位表示させたことによって、そこから生徒が集まるようになってきたんです。
このように、SNSではなかなか集客できなかったという先生が、転機を迎えたのが「ローカルSEO」だったんですね。
ローカルSEOというのは、実は先ほどからお伝えしてきた「2つの条件」を満たした方を集めやすい方法なんです。
ローカルSEOは見込み客を集めやすい
たとえば、「世田谷 パン教室」といった地域名と教室のジャンルを組み合わせたキーワードを検索する人って、どんな人だろうかと想像してみてほしいんです。
その人は、どんな意図があって「世田谷 パン教室」というキーワードで検索しているのかと考えると、多くの方は「世田谷にどんなパン教室があるんだろう」とか「人気のパン教室はどこだろう」「おすすめは?」といった意図で検索しているんじゃないかなと思うんです。
つまり、こういった検索から読み取れるのは、「この方はパン作りに興味があるな」ということですよね。
しかも、その方は「世田谷内のパン教室を探している」ということになります。
だから、わざわざ「世田谷」というキーワードを入れて検索しているわけです。
そう考えると、その検索をした方は、世田谷区に在住しているか、もしくは世田谷区に通える範囲に住んでいる可能性が非常に高いと想定できますよね。
つまり、ずっと申し上げてきた「2つの条件」、パン教室の例でいえば「パンを習いたい」と「世田谷に通える」という、この2つの条件を満たしている可能性が非常に高いんです。
ですから、ローカルSEO経由でアクセスしてくる訪問者は、「見込み度が高い」と言えるわけです。
お客様の「検索行動」は主体的
しかも、この「検索をする」という行動を改めて考えてみると、非常にお客様自身の「主体的な行動」であると言えます。
まず、その方には「パンを習いたい」という意思がありますよね。
そして、教室に通うために「自分で教室を探そう」と思って、パソコンでもスマホでもいいですが、検索サイトを立ち上げて、教室を見つけるためのキーワードは何がいいかを自分で考えて、入力欄に入力する。
さらに、出てきた検索結果の中から「ここが良さそう」と候補を選んでホームページに訪れる。
中には、一度戻って他のホームページを見比べて、その上で「ここに行こう」と決めるという、一連の行動をしている方もおられるはずです。
このように、ユーザー自身が主体的であればあるほど、「入会の意思が高い人」ということが言えるんですよね。
ですから、そういったことも含めて、ローカルSEO経由で集まってくる方たちは、先生の教室に通う見込み度が非常に高いと考えられます。
なので、教室ビジネスにおける集客方法として、ローカルSEOを強くおすすめしているんです。
では、具体的にはどういう対策をすればいいのか、という話になってきますが、実際のところ、SEO対策にはさまざまな方法があります。
それをここでお話ししようとすると、本当に1時間、2時間かかってしまいますので、今回は具体的な方法は割愛させていただきます。
その代わりに、SEO対策の重要な考え方として「垂直対策」と「水平対策」という2つの考え方をお伝えしたいと思います。
ローカルSEO対策の基本「垂直対策」とは?
まず、「垂直対策」とは何かというと、ローカルSEOにおいて「どういうキーワードで上位表示させれば、見込み度の高い方が集まってくるか」ということです。
これは、先ほどからお話ししているような「地域名 × 教室ジャンル」を組み合わせたキーワードですね。
たとえば「世田谷 パン教室」、こういったキーワードで上位表示をさせることは、最優先されるべき、必須の対策キーワードだと言えます。
仮にそのキーワードで、先生のホームページが上位表示されたとしますよね。
そうすると、それだけでも見込み客の方がホームページを訪れるようになり、先生の教室に入会する、ということが起こってくるんです。
この時に、たとえばホームページ以外に、先生の教室のGoogleマップ情報が検索結果内に表示されていたらどうでしょうか?
ご存知の先生もおられるかもしれませんが、近年ローカルSEOの検索結果には「地図」が組み込まれるようになったんですね。
ローカルSEO対策における「地図情報」の重要性
Googleであれば、検索結果にそのキーワードと関連性の高い地域の地図と、その中にある関連性の高い店舗が3つ表示される仕組みになっています。
たとえば「世田谷 パン教室」というキーワードで検索した場合、まず世田谷の地図が表示され、その中に存在しているパン教室の上位3つが表示されるんです。
しかもこの地図情報というのは、検索結果のかなり上位、というか、1番上に表示されることも多いんですよね。
検索結果というのは、上に表示されればされるほどクリックされやすいという特徴があります。
同じ検索結果の1ページ目でも、1番上に表示されるのと、1番下ではクリック数がまったく変わってくるんです。
ですから、可能な限り上位、できれば1番上に表示されることが望ましいわけです。
検索結果を独占する状態を作り出す
また、先生がInstagramを運営されていたり、YouTubeで発信をされていた場合、それらも同じキーワードの検索結果に表示されることがあるんですね。
たとえば「世田谷 パン教室」というキーワードで検索すると、Googleマップが表示されて、ホームページが表示されて、YouTubeが表示されて、Instagramも表示される、というようなことが起きるわけです。
ある意味で、その検索結果を独占するような状態になることもあるわけですね。
実際、最近では僕のクライアントの先生方にも、そういったことが起こり始めています。
当然ですが、ローカルSEOで検索結果に先生の教室に関するさまざまなメディアが表示されるようになると、入会者が増える傾向があります。
しかも、そういった場合に入会してくる方々には、ある共通の特徴があるんですね。
皆さん、口をそろえてこんなことを言うんです。
「ネットで調べたら、検索したら先生の教室ばかり出てきたんですよ」
つまり、お客様というのは、検索結果に自社のメディアが複数表示されていると、「この教室がいいんじゃないか」と信頼するようになる傾向があるんですね。
ですから、1つのキーワードの検索結果において、自社メディアを複数表示させること、つまり「垂直対策」がローカルSEOにおいて非常に重要だと考えています。
これが、まず1つ目の「垂直対策」という考え方です。
「水平対策」でさらなる集客を目指す
次に考えていただきたいのが、「水平対策」という考え方です。
水平対策とは何かというと、先ほどの垂直対策を、別のキーワードでも同じように実施していくということです。
先ほどは、「世田谷 パン教室」のように、地域名と教室ジャンルを組み合わせたキーワードで上位表示を目指しましょう、という話をしました。
ただし、お客様が教室を探すときに検索するキーワードは、それだけとは限らないんですね。
別の例を挙げるならば、世田谷区内の「三軒茶屋」という地域名がありますが、「三軒茶屋 パン教室」などと検索する方もいます。
特に東京のような都市圏では、地域名よりも「駅名」を使って検索するケースも多いです。
たとえば「駒沢大学 パン教室」のようなキーワードですね。
さまざまなキーワードへの対応が重要
さらに、単に「パン教室」と検索するだけではなく、「あんぱんを習いたい」「バゲットを習いたい」など、より具体的なニーズを含んだキーワードを使う方もいます。
実際に、お客様はそうしたさまざまなキーワードで、自分が通える教室を探している、という事実があるわけですね。
ですから、先生のホームページやSNSなどが、そういった検索キーワードでも上位表示されるようになると、当然ながら認知度は広がっていきます。
それに伴い、入会に至る確率も高まっていきますよね。
そして、いろいろなキーワードの検索結果において、先ほどの垂直対策と同じように、ホームページもYouTubeもInstagramも上位表示されるという状態が実現できれば、より一層、入会者を獲得できる可能性が高くなります。
このように、「ローカルSEOの垂直対策」と「水平対策」を組み合わせて実践することで、教室の集客力に非常に厚みが出てきます。
その結果、さまざまなキーワードから安定的に生徒が集まってくる、という状況が生まれてきます。
このように、ローカルSEOをしっかり実践することで、先生の教室にとって大きな集客の柱を築くことができると考えています。
ローカルSEOのデメリット
ただし、あえて付け加えておきたいのは、ローカルSEOにもやはりデメリットはあるということです。
どんな集客手法にもメリットとデメリットがありますので、その両方を理解したうえで、自分に合った方法を選ぶことが大事だと思います。
その観点から、ローカルSEOのデメリットの1つとして挙げられるのが、上位表示を達成したとしても、十分なアクセスが集まらないケースがあるという点です。
これまでお話ししてきた内容と少し逆説的に聞こえるかもしれませんが、「世田谷 パン教室」というキーワードで検索した方は、教室に通う見込み度が高い方たちだとは言えます。
ただし、そもそも「世田谷 パン教室」というキーワードで検索する人の数自体が、あまり多くないという現実があります。
たとえば、「パン教室」だけの単体キーワードで検索する人の数と、「世田谷 パン教室」のように地域名を加えたキーワードで検索する人の数とでは、やはり母数が大きく異なってきます。
ですから、たとえ上位表示できたとしても、アクセス数自体があまり集まらず、結果的に入会や集客につながらないというケースもあります。
そうした事態を避けるためにも、少しでも多くの方に教室を認知してもらうために、垂直対策で表示回数を増やすという取り組みが重要になってきます。
そして、そもそもの検索者の母数を増やすという意味でも、さまざまなキーワードで上位表示を狙っていくことも大事です(水平対策)。
それらを「トータルで、見込み度の高いアクセスを積み上げていく」、という考え方が求められるわけです。
手間を惜しまずコツコツできる人に向いている
ただし、それを実現するためには、やはりある程度の手間はかかってきます。
たとえば「世田谷 パン教室」で上位表示を目指すならば、そのキーワード専用のページを用意する必要があります。
そして次に「世田谷 パン教室 あんぱん」などの別キーワードで上位表示を目指す場合には、それ専用のページもまた別に作成する必要があります。
さらに、「三軒茶屋 パン教室」のように別の地域名を使ったキーワードでも上位表示を目指すなら、それ専用のページも作らなければいけません。
このように、キーワードごとにページを作成して対策するとなると、どうしても手間がかかってくるという点は否めません。
これはYouTubeやSNSでも同様です。
狙うキーワードごとに、たとえばYouTubeであれば、そのキーワードに合わせた動画を撮影し、配信していく必要が出てきます。
そういった意味でも、やはり手間がかかるという点はあると思います。
つねに情報発信できる人に向いている
さらに、もう1つだけ付け加えると、ページを作成したからといって、必ずしも上位表示されるとは限らないという点です。
ある程度、対策のノウハウはありますし、実際に僕のクライアントの方々は、かなりの確率でブログ記事などが上位表示され、集客につながっているという結果は出ています。
とはいえ、すぐに上位表示できるとは限りませんし、たとえ上位表示されたとしても、情報が古くなってくると検索順位が下がってしまう、ということも起こり得ます。
そういったデメリットもあるわけですね。
ですから、「順位が上がりにくい」「順位が下がってしまう」といったリスクに対しては、やはりいろいろなキーワードで上位表示を狙っていくということが望ましいのです。
そして、できる限り常に新しい情報を発信し続けることで、上位表示されるキーワードの種類を増やしていくということも大切だと考えています。
ということで、以上がローカルSEOのメリット・デメリットでした。
それらを踏まえて、さらにはその他の集客方法なども学んで実践された上で、先生に合うようであれば、ローカルSEOをお勧めしたいと思います。
今回の内容が、先生の教室の生徒数アップにつがればうれしく思っております。
まとめ
今回は、ローカルSEOを活用して、地域密着型の教室を繁盛させるための考え方と具体例をご紹介しました。
教室ビジネスにおいては、ただ「多くの人に知ってもらう」だけではなく、「実際に通える距離に住んでいて、習いたいと思っている人」に向けて情報を届けることが、集客の成否を大きく左右します。
ローカルSEOは、その重要な2つの条件を自然に満たしやすい方法です。
今後の教室経営をさらに安定させ、成長させていくためにも、ぜひローカルSEOに取り組んでみてくださいね!