「学習塾の生徒募集には、チラシがいいんですか?それともネットのほうがいいんですか?」
そのようなご質問をいただくことがあります。
どちらも特長がありますので、それをお伝えさせていただきたいと思います。
こんにちは、学習塾ネット集客の専門家増地 崇です。
爆発力のチラシ or 継続力のネット
チラシとネット(この場合はホームページ)には、媒体特性があります。
まずチラシは、一気に多くの反響を集められる「爆発力」があります。
配布する時期とエリア、そしてチラシのコピーライティングがうまくかみ合えば、一気に反響を得られます。
つぎにネットには、毎月安定的に反響を得られる「継続力」があります。
チラシのように一気に集まるというよりは、毎月一定数の反響が得られるといった感じです。
なぜこのような違いが起こるのか?というと、おそらくそれは、チラシ・ネットの活用の仕方に違いがあるからだと私は考えています。
チラシは一極集中
チラシに爆発力があるのは、配布するタイミングが限られているという理由もあると思います。
チラシは、印刷代や折り込み料、ポスティング料などのコストがかかる傾向にあります。
そのため、頻繁に配布しつづけることが予算的に難しい学習塾さんもおられると思います。
(というか、毎月のようにしょっちゅうチラシを撒きつづけられるのは大手塾だけではないでしょうか)
そのため、反響を取りやすい時期に反響が得られやすいエリアに絞って、その時期に合わせた打ち出し方(新年度募集・夏期講習etc)で、一極集中的なのが多くの学習塾さんのチラシを使った集客の傾向だと思います。
それが爆発的な反響に結びつくんですね。
ネットは集客コストが安い
ネットでの集客は、チラシに比べるとコストが安くできるメリットがあります。
私はクライアントさんにネットでの広告展開をオススメしていますが、そのコストはチラシの1/3〜1/5ぐらいに収まります。
なので、毎月継続的に広告を出しつづけられる傾向にあるんですね。
それが継続力の源泉なんだと考えます。
以上が、チラシとネットの特性の違いが起きる理由です。
先生はホームランバッターのチラシか、アベレージヒッターのネットか、どちらを選びますか?
効果の判断は、つぎの2つの数字で図るべき
「結局のところ、チラシとネットどっちがいいんですか?」
そのようにお感じになられた先生もいらっしゃるかもしれません。
先生のご要望は、どちらの媒体であっても「生徒が集まること」かと思います。
そしてさらには、生徒が集まることによって「利益が上がる」ことが、一番のご要望だと思います。
であるならば、チラシ・ネットを使えば「どのくらいの人数の生徒が集まるのか?」も大切ですが、つぎの2つの数字によって効果の善し悪しを判断することをお勧めします。
- CPA(顧客獲得単価)
- LTV(顧客生涯価値)
CPA(顧客獲得単価)とは?
「CPA(顧客獲得単価)」という言葉を、ご存知の先生もいらっしゃることと思います。
これは、生徒1名を獲得するためにかかった広告コストを表します。
例えば、チラシ10,000部配布した際にかかったコストがもろもろ10万円だったとします。
そして、それによって生徒が5名入会してくれました。
このときのCPAは、10万円を5名で割った「2万円」になります。
※あくまでもわかりやすい例としてこの数字を用いています。実際にこのようなコストパフォーマンスを挙げられたら、かなり優れた広告戦略だと言えます
またネットの例として、月間3万円のコストで広告を配信して3名入会してくれました。
このときのCPAは、3万円を3名で割った「1万円」になります。
入会者数だけを見れば、チラシが5名ですので、ネットの3名よりも多くの人数が入会してくれました。
しかしCPAは、ネットのほうがチラシよりも1万円安いコストで生徒を集めることができています。
LTV(顧客生涯価値)にについて
まだこの段階では、チラシとネットどちらがいいのか判断は難しいと思います。
そこで「LTV(顧客生涯価値)」です。
この数字は、ひとりのお客さまが入会して卒業するまでにもたらしてくれる利益の合計です。
例えば、中学生が入学とともに先生の学習塾に入会したとします。
そしてその生徒さんは、卒業まで3年間通ってくれました。
この生徒さんのひと月あたりの利益が1万円だったとしたら、LTVは1万円に36ヶ月(3年間)をかけた、36万円がLTVになります。
※実際は、夏期講習などの受講料もあると思いますのでLTVはこれよりも高くなると思います
ポイントはここからです
CPAが、LTVを上回らなければ黒字になりますので、ビジネスとしては成立しますよね。
さらには、CPAを3ヶ月以内に回収できたら非常に経営が安定します。
チラシとネットの広告の効果性については、このCPAとLTVの数字を見比べて判断していただきたいと私は思っています。
また学習塾の場合、教室のスペースや学習形態によって集められる人数に限りがあります。
- だとするなら、これから何人の生徒を集められるのか?
- そして、そこからもたらされるLTVがいくらなのか?
- さらには、それを踏まえてCPAをいくらまでかけていいのか?
- それから先生がどのくらいの稼ぎを得たいのか?
- 他の先生にどのくらいのお給料を支払いたいのか?
こういった要素も加味して、総合的にチラシとネットの効果性を判断されるとよりよいです。
番外編:大切なことは生徒の満足・成績の向上
今回は、チラシとネットの集客の効果性についてお伝えしてきました。
とはいえ、一番大切なことは入会された生徒さんが満足してくれることであり、成績が伸びることであることはご理解いただいていると思います。
また生徒さんが満足してくれれば、継続率が高まります。
それはLTVの向上に直結します。
さらには、夏期講習や特別講習などの追加受講も期待でき、それは利益の向上を促します。
そういう意味では一気にチラシで生徒を集めた場合、ひとりひとりの細かなフォローが行き届かないと不満を生むことが懸念されます。
それに対し、ネットで毎月安定的に生徒が増加して行くほうが先生にとっても生徒さんをフォローしやすく、満足度も高められる傾向があるように感じています。
ということで、渋沢栄一のように右手にそろばんを持ってコストに見合う集客を行い、左手には論語を持って生徒さんに優れた教育をご提供していただく。
そのような理想的な学習塾経営を行なううえで、チラシとネットの集客の効果性についてご理解いただければ幸いです。