今回も、僕が配信しているメルマガ読者の先生から頂戴したご相談にお答えしたいと思います。
今回は、英会話スクールの先生からご相談を頂戴しました。
では早速、ご相談内容を読み上げていきます。
「ここ半年ほど売上が伸び悩み、大人向け英会話やオンライン講座を新たに始めたいと考えているが、うまくいかなかったらどうしよう、また失敗したら……と恐れが強く動けない。
周囲は次々に挑戦しているのに、自分だけ止まっているように感じて苦しい。やる気が出ない自分を責め、さらに自信を失っている。
新しい講座を始めたいのに、失敗するのが怖くて動けません。どうすればこの恐れを手放して一歩踏み出せますか?」
ご相談いただき、ありがとうございます。
売上の伸び悩みを改善するために、新たな講座を始めようと考えておられるのですね。
一方で、「うまくいかなかったらどうしよう」という恐れが強く、なかなか一歩を踏み出せない。
さらに、動けない自分を責めてしまい、自信まで失ってしまっている。
ご相談文から、その辛さが強く伝わってきました。
これをご覧くださっている先生へ

ここで、これをご覧いただいている先生に、ひとつ提案があります。
今回の英会話スクールの先生のご相談に対して、もし先生ご自身だったら、どんなアドバイスをされるでしょうか。
あるいは、先生ご自身が今回のご相談者の立場だったら、どのような取り組みをしていくでしょうか。
ぜひ一度、ここで考えてみてください。
可能であれば「自分だったらどうするか」、「どんな助言をするか」を整理してみていただければと思います。
そのうえで、続きをご覧ください。
お考えいただけましたでしょうか。
では、お話しを続けたいと思います。
コーチング的観点で2つのポイント
ここからは、どちらかというとコーチング的な観点で、2つのポイントをお伝えします。
ポイント1:しっかり睡眠を取ること

1つ目のポイントは、「しっかりと睡眠を取ること」です。
ご相談文には睡眠についての具体的な言及はありませんでしたが、日頃から十分な睡眠が取れていない可能性があるのではないかと感じています。
誤解を恐れずに言うと、僕の長年の観察では、業績が伸び悩んでいるときや物事がうまくいっていないときは、睡眠不足の方がとても多い印象があります。
僕自身、15年ほどの間に累計で約2500名の経営者や教室の先生方とお話ししてきましたが、ある時期から「睡眠は取れていますか」「1日の睡眠時間はどれくらいですか」と伺うようにしました。
すると、業績が伸び悩んでいる方ほど、睡眠時間が短いケースが多いと感じます。
しかも、「やりたいことがあって睡眠時間が短くても元気」というより、「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と自分の意図とは別に睡眠が削られている方が多いのです。
睡眠不足が今回のご相談に関係してくる理由は、とてもシンプルです。
睡眠が不足すると、エネルギーが不足します。
エネルギーが不足すると、行動を起こせません。
今回の先生は、新たな講座を始めたいと思っておられますが、これは「新たな行動を起こす」「現状から変化を起こす」ということです。
そして、この世の中で変化を起こすには、必ず何らかのエネルギーが必要になります。
変化には必ずエネルギーが必要

例えば、水をお湯に変えるには熱エネルギーが必要です。
また、手に持った野球ボールを離すと地面に落ちますが、位置が変化するのは重力というエネルギーが働くからです。
同じように、新しい講座を始めるという変化にも、エネルギーが必要です。
では、そのエネルギーとは何かというと、僕は「体力」だと考えています。
体力だけではなく気力も必要だと思いますが、体力が高いと自然と気力も前向きになり、やり抜く力が出やすいものです。
逆に、風邪を引いて熱が出て寝込んでいるとき、前向きに考えるのは難しくなりがちです。
体が元気なときは心も元気で、気力も充実しやすい。
だからこそ、まず体力が重要だと僕は考えています。
「新しい行動を一歩踏み出せない」のは、理由はいろいろあっても、根本は体力が十分でない状態で起きていることが多い。
これは何千人もの先生方とお話ししてきて、強く感じているところです。
ただし、「体力があるか」「睡眠が足りているか」は、自覚しづらいものでもあります。
体力は感覚的で、数値化しにくいからです。
また、睡眠不足が続くと体が麻痺して、「足りていない」という自覚自体が鈍くなることもあります。
だから、睡眠が不足して体力が落ちているのに、本人がそれに気づきにくい。
けれど実際にはエネルギーが足りておらず、一歩踏み出す力が枯渇している状態になっている。
エネルギー不足で無理に動くとどうなるか

その状態で無理に動こうとすると、どうなるでしょうか。
車にガソリンがないのに無理やりエンジンを吹かせば、壊れてしまいます。
人間も同じで、エネルギーがないのに無理やり行動しようとすれば、ひどいときには倒れてしまいます。
だからこそ、体力が低下している、あるいは睡眠不足の状態に心当たりがあるなら、早い段階でしっかり休めることが大切です。
売上が伸び悩んでいたり、新しい行動を起こそうと思いながら一歩が踏み出せなかったりする場合は、まず睡眠を見直してみてください。
もちろん、事情があって「睡眠不足は自覚しているけれど、十分な睡眠を確保できない」という方もいると思います。
それでも、工夫の余地はあるはずです。
例えば、いつもより30分早く寝る。
週に1日はしっかり睡眠時間を確保する。
短時間でも昼寝の時間を取る。
そうした「今より少しだけ睡眠を増やす工夫」を探してみてください。
そして、ご自分の体をきちんと休ませてあげてほしいと思います。
仮に、いつもより30分早く寝られるようになったとします。
それを1週間に換算すると、210分です。
つまり、1週間で2時間半、睡眠時間が増えることになります。
その習慣を1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月と積み重ねていけば、体を休める時間が確実に増え、体力のチャージにつながっていきます。
体力が戻り、十分にチャージされてくれば、そのエネルギーを「動き出す力」に回すことができるようになります。
これが1つ目のポイント、「睡眠を取る」です。
ポイント2:1日5分でも自分の時間を確保する

では2つ目のポイントです。
2つ目は、「1日5分でもいいので、自分の時間を確保すること」です。
睡眠で体力を高めたら、次は「気力を満たす」「心を満たす」ための取り組みが必要になります。
それが、自分の時間を確保することです。
ご相談文には、「周囲は次々に挑戦しているのに自分だけ止まっているように感じて苦しい」「やる気が出ない自分を責めてしまう」と書かれていました。
ここから推察するに、今回の先生は日頃から周りに気を配り、周囲の動きに神経を尖らせ、結果として自分を後回しにして、周りを優先しているのではないでしょうか。
それは、本当に思いやりのある素晴らしい姿勢だと思います。
そしてそれは、お仕事やレッスンだけでなく、プライベートでも同じ傾向があるかもしれません。
ただ、どれだけ立派な姿勢でも、ずっと続ければ疲れてしまいます。
そこに睡眠不足が重なれば、新しい行動を取るための体力も気力も残らなくなってしまう。
さらに、一歩踏み出せない自分を責めてしまうことで、心が消耗してしまいます。
「自分のための時間」を取っていい

だからこそ、そういう方ほど「自分のための時間」を確保していいのです。
自分の時間を少し取ったくらいで、誰も文句は言いません。
自分の時間を確保し、「自分で自分を満たす」時間を持ってください。
睡眠時間を確保することも、自分を満たす行為のひとつです。
そして、自分の時間を持つことで、体力だけでなく気力も充電され、それが行動のエネルギーになっていきます。
ここで、実際に「自分の時間を確保する」を実践された、面白いエピソードを紹介します。
僕のクライアントさんに、ある教室を運営されている女性の先生がいらっしゃいました。
その先生にはお子さんが5人いて、さらに義理のお母さんと同居されていました。
もちろん旦那さんもいらっしゃって、日常の中で自分の時間を取るのが難しかったそうです。
夜、一通りの晩ごはんや片付けといった家事を終えて、ようやく一息つけると思った瞬間に、「ママあれやって」「明日学校でこれが必要」など、次々と声が飛んでくる。
そういう環境では、自分の時間を確保するのは簡単ではありません。
ただ、そのままだと現状を変えるのが難しいので、僕から「5分でもいいので、自分の時間を確保する工夫はできませんか」とお伝えしました。
すると、その先生はこう工夫されました。
家事を一通り終えたら、お湯を沸かして、自分の飲みたいコーヒーを淹れる。
そのコーヒーを持って自宅の駐車場へ行き、車の中に入る。
そして鍵を閉め、5分間だけは誰も入ってこない環境で、コーヒーを飲みながら自分の時間を過ごす。
こんなふうに、工夫をすれば「5分の自分時間」を作ることはできます。
自分時間が増えると得られるもう一つのメリット

理想を言えば、5分と言わず、可能な限り自分の時間を多く持てると良いのですが、まずは「今より5分増やす」でも十分です。
それが習慣になっていけば、体力・気力というエネルギーの量は確実に高まっていきます。
そして、自分の時間を確保できるようになると、もうひとつ大きなメリットがあります。
それは、「私は人生を自分でコントロールしている」という感覚が強化されることです。
睡眠や自分の時間が十分に取れないとき、多くの場合、それは自分の都合というより周りの都合に合わせた結果として起こります。
寝る間を惜しんで、周りのお世話をしたり、仕事をしたりして、自分の時間が削られていく。
それが続くと、無意識に「私は自分の人生をコントロールできていない」「人生が周りにコントロールされている」「周りに振り回されている」という感覚が強まってしまいます。
その感覚が強くなるほど、現実もまた周りに影響されやすくなっていきます。
それを分かりやすく示した例が、コロナ禍でした。
当時、「これから日本経済は落ち込んでいく」といった報道を多くの方が目にしたと思います。
そのときに「人生は周りにコントロールされている」という感覚が強い先生は、その報道に自分を合わせるように、わざわざ教室の売上を下げてしまっていたことがありました。
コロナ禍でも伸びたケースがある

確かに、コロナのような大きな出来事が起これば、「日本経済が落ち込む」という予測が出るのも分かります。
ただ、もし本当にそうなら、あらゆるビジネスの売上が一律に落ち込むはずです。
ところが現実には、コロナ期にニトリが過去最高を達成するなど、真逆のことも起きました。
また、僕のクライアントの先生方の中にも、コロナ禍に過去最高の生徒数や売上を記録した方がいらっしゃいます。
そういう方に共通していたのが、「私は人生を自分でコントロールしている」という感覚でした。
この感覚を持っている人は、コロナのような状況でも、自分で工夫して対応し、その状況下で「どうやって売上を伸ばすか」を試行錯誤します。
その結果として、過去最高に結びついていくことがあるのです。
だからこそ、「私は人生を自分でコントロールしている」という感覚を育てることは、新しい行動を起こすうえでとても大切だと僕は考えています。
そして、その第一歩が「自分の時間を確保すること」です。
家族が多くて自分の時間が取りにくい状況でも、5分を工夫して確保できれば、「自分の人生を自分でコントロールしている」という感覚は育っていきます。
まとめ:2つを続けると「動ける自分」に戻る

- 睡眠で体を休めること
- 自分だけの時間を確保して、自分を満たすこと
この2つを続けることで、体力・気力というエネルギーがチャージされるだけでなく、「人生をコントロールできている」という感覚も強化されていきます。
十分にエネルギーがチャージできれば、それを新しい行動の力として使えるようになります。
「行動しなきゃ」と思いながら一歩踏み出せない状態は、例えるなら「充電切れ」です。
スマホも1日使えばバッテリーが減り、充電しなければいずれ動かなくなります。
人も同じで、体力や気力を充電する必要があります。
そのための行動を意識的に起こしていけば、気づけば「私は人生を自分でコントロールしている」という感覚も強くなっていきます。
人生をコントロールできるなら、行動もコントロールできます。
もっと言えば、売上もコントロールできるようになっていきます。
ぜひ、睡眠時間と自分だけの時間を確保してみてください。
それがたとえ1日5分でも、「今より増やせないか」を考え、工夫してみてください。
そして、眠る前や自分の時間の中で、「今日も1日よく頑張ったね」「自分はよく頑張ってるよ」「毎日ありがとう」といった労いの言葉を、自分自身にかけてあげてほしいと思います。
そうやって心身の健康を保ちながら、新たな行動を起こし、理想の状況を実現していかれることを応援しています。
先生方への再提案

以上が、今回の僕からの回答です。
そして冒頭で、「先生ならどんなアドバイスをしますか」「自分がその立場ならどんな行動を取りますか」と問いかけましたが、覚えていらっしゃいますでしょうか。
実はその答えは、意外と「先生ご自身の教室で実行すると効果的なもの」であることが多いのです。
「これ、今の自分の教室にも使えるな」というアイデアを思いついた先生もいらっしゃるかもしれません。
ぜひ、今回のアドバイスやアイデアをご自身の教室でも実践してみてください。
最後に、今回のように先生方からのご相談に、僕がお答えする機会をこれからも作っていきたいと思っています。
ご相談は、ホームページのお問い合わせフォームから受け付けております。
教室経営について疑問に思っていることや、誰かに相談してみたいことがある先生は、ぜひお問い合わせフォームからご相談をお寄せください。
ということで今回は、英会話スクールの先生のご相談にお答えいたしました。



