マーケティング以外で、生徒数を伸ばす方法
「その時期になってくると、ポロポロと辞める方も出てくるんです…」
僕が、クライアントの先生をサポートさせていただく際、じっくりとお話をお伺いしてご要望を明確化することからはじめます。
多くの先生のご要望とは「業績アップ」です。
しかし意外と先生の多くは「業績アップ=生徒数の増加」と捉えておられる方が少なくありません。
しかしですね、生徒数の増加にフォーカスしてしまうと意外と大変なんです。
なぜなら、生徒数が増えればそれだけ先生の負担が増えます。
レッスンの準備だったり、レッスン回数だったり…。
そのため、業績は伸ばしたいと思いながらも、どこかで業績を伸ばすことに手放しで喜べないというか…。
「生徒を増やします!」と言い切れない気持ちが出てしまうことがあります。
そして、それが業績アップの歯止めになることがあるんですね。
業績を伸ばす3つの方法
ちなみに、業績はつぎの3つのを増やせば伸びます。
- 生徒数
- レッスン単価
- レッスン回数
仮に、生徒さんを増やさずとも、レッスン単価が上がると業績は伸びますね。
また、週1回だった生徒さんが週2回来てくれるようになると、これまた業績は伸びます。
そうして、生徒数の増加以外の方法で業績アップできないかも検討します。
このとき、レッスン単価の見直しを選択される先生もいらっしゃいます。
そのほうが、先生としては迷いなく(負担なく)できるのだと思います。
その場合、僕のほうからはスムーズな値上げの方法などをお伝えしています。
3つのアプローチ
そして、先生のご要望にお応えするにあたっては、僕は、大きく分けて3つの観点から最適なアプローチを検討しています。
その3つとは、以下です。
- やり方(マーケティング)
- あり方(マインドセット)
- 環境(エネルギー)
さて今回は、この3つのアプローチの中から「あり方」にアプローチしたケースをお話したいと思います。
「あり方」とは、その方のものの「考え方」を表しています。
専門用語的には「マインドセット」なんて言ったりもします。
さて今回のケースは、昨年からサポートさせていただいてる先生のお話です。
生徒数が停滞してしまう
その先生は、サポート開始より順調にホームページから生徒さんが集まっておられました。
しかし、ある人数を超えてから生徒数が停滞してきたそうなんです。
毎月、定期的に生徒さんは入会されるんですが、既存の生徒さんがお辞めになるみたいなんですね。
ちなみに僕は、生徒さんの継続期間が短いことが気がかりでした。
なぜなら、他のクライアントの先生の教室の生徒さんは、短くても1年は通われていたからです(それどころか、長い生徒さんは10年以上も通われることもよくあります)。
停滞する理由は?
そして、その先生が最近のお悩みとして、つぎのようなことをおっしゃっていました。
「生徒さんの都合で、レッスンが振り替えになることが増えて来ました。貸しスタジオなので、キャンセルがあると、また予約し直したりして大変なんです」
同じようなご経験をなさっている、先生もおられるかもしれません。
このときのですね、こちらの先生の心情を端的に表しますと“ガマン”してらっしゃるんですね。
本当は、振り替えされちゃうと困るんだけど、生徒さんの都合に合わせて“ガマン”して受けちゃってるんです。
そして僕は、先生のお話を伺って、これ(ガマン)が、生徒数を停滞させる原因だと判断しました。
もちろん、お客さまの要望に可能なかぎり応えることは大切です。
しかし、それは「可能な範囲」でです。
そして「可能な範囲」とは、それを長期的につづけても苦しくない範囲だと僕は思います(それは、個人差があります)。
僕は、ガマンができる・できないにいい・悪いはないと思っています。
そういった視点でお話しているとご理解くださいね。
あくまで、最適な業績アップに向けてどうすべきか?を考えております。
もちろん、売り上げさえ上がればいいということはあり得ません。
ガマンしないためには?
今回の先生の場合は、ガマンして生徒さんに合わせていらっしゃったワケなんですね。
もしくは、ガマンしないと“いけない”と思っておられたんです。
結論的なことを言うと、生徒さんが辞めるのではなく、先生がガマンを辞める。
そうすると、生徒さんは辞めません。
そして、生徒さんは増えます。
この場合、対応策として以下の方法などが検討されます。
- レッスンを固定の日時にする
- 振り替えをしないようお願いする
- 振り替えを見越して、レッスン単価を値上げする
とりわけ貸しスタジオの場合、レッスンがキャンセルになってもスタジオ使用料は発生します。
また、キャンセルがつづくと会場が貸してくれなくなるリスクもあります。
それらを踏まえると、なるべくキャンセルは避けたいものです。
いずれにしても、先生が今よりもガマンしなくていい方法を最優先条件として、最適な方法を検討しました。
あくまで、今回のケースでは「ガマンをやめる」ことが、現状をよりよくするうえで最適だと判断しました。
すべてのケースにおいて、ガマンをやめるのが最適とはかぎりません。
だからこそ、僕がサポートさせていただく際には、先に挙げた「3つのアプローチ」から、最適な観点を検討するようにしています。
このからくりは、一体?
現状ガマンしていてイヤだということは、生徒さんが増えるともっとガマンするリスクが増えます。
今以上に、キャンセルが増えたり、生徒さんの都合に振り回されたり。
そういう状況だと、生徒さんを増やしたいと思う一方、どこか気乗りしなかったりします。
そこで、ガマンを減らす方法として生徒さんが、お辞めになる現実をつくるんです。
もしくは、ガマンしないと“いけない”理由として生徒さんが、お辞めになる現実をつくるんです。
- 生徒さんが減っちゃったから、もっとニーズに応えなきゃいけない。
- だから、ガマンして要望に応えなきゃいけない…。
そうじゃないんです。
生徒さんも大切ですが「ガマンはイヤ」というご自分の要望にも応えてください。
もちろん、レッスンの振り替えやキャンセルがあったとしても、それが苦ではない方は現状のままでも構いません。
けれど、それがつらくなる先生もおられると思うんですね。
それは、お肉が好きだったりセロリが苦手だったりするような、個人の好き・嫌いみたいなものだと僕は思うんです。
いずれにしても、上記のようにガマンすることが、集客面に影響をおよぼすことがあるんですね。
そこで、こちらの先生はレッスン日時の固定化と、生徒さんに参加日時を●日前に連絡していただくことを徹底されました。
ガマンをやめるとどうなる!?
そのようにして、ガマンをひとつひとつ手放して行く。
自分が気持ちよくつづけられる教室を作り上げて行く。
すると、そのようなスタイルの教室を好む生徒さんが集まります。
逆に、そのスタイルを好まない方は来ないか、来てもお辞めになります。
そして、気持ちよい生徒さんが集まって気持ちよく教室ができるなら、心配や懸念をすることなく生徒数増加のアクセルを踏むことができます。
その結果、生徒さんが増えますし長く通いつづけてくれます。
つまり、経営が安定化するんですね。
逆の発想をしてみるとよくなる!?
今回の先生だけでなく、他の先生方もつぎのようなお考えをされていることがあると感じます。
それは「生徒さんが増えて、経営が安定したらルール化・仕組み化を行う」というような考え方です。
いや、違うんです。
逆なんです。
ご自分に合った、ルール化・仕組み化を図るから、生徒さんが増えるんです。
そして、経営が安定するんです。
もうひとつ付け加えるなら、ガマンをするからつぎのガマンが出てくるんです。
それが、今回のように集客の歯止めとなったり、生徒数減少を起こしたりするんですね。
いつもと違う視点からアプローチ
ということで、教室を経営していると、ときにマーケティングだけでは片づかないことが起きます。
集客方法の改善が、最適な方法じゃない場合があります。
もちろんそれは、ケースバイケースです。
だからこそ僕は、先生おひとりおひとりとじっくり向き合うよう心がけています。
もし、これをご覧の先生が現在、教室経営で課題をお持ちなら…
それは、どの観点からのアプローチが最適かを検討してみてください。
- やり方(マーケティング)
- あり方(マインドセット)
- 環境(エネルギー)
そして、いつもと違う視点からアプローチしてみると、課題が解決できるかもしれません。
もしくは、課題解決の糸口をつかめるかもしれません。