先日、ピアノ教室の先生からご相談いただいたときのことです。
なんでも、全国のピアノ教室を紹介しているサイトがあるそうなんですね。
そちらで、ご自身の教室の情報を無料で掲載できるそうです。
ちなみに、教室のジャンルごとにこういったポータルサイトってわりとあるんです。
無料で掲載できることも多いので、僕もクライアントさんにはオススメしています。
150文字で集客できるか!?
でですね、今回のサイトは掲載できる紹介文が150文字だったんですね。
そのため先生は「かぎられた文字数で、何を伝えたらいいか?」を僕に相談されたんです。
そこで今回は、僕がアドバイスしながら実際に作成された紹介文をお見せしたいと思います。
また、その文章を作成した理由もお伝えしたいと思いました。
なぜなら、それを知っていただくだけでも、これをご覧の先生の文章スキルが高まると思うからです。
ちなみに、ご存知の先生もおられるかと思いますが、これまで僕はすべてのクライアントの先生のホームページの文章を、執筆させていただきました。
先生に代わって、僕が先生の教室の紹介文を書かせていただいているんですね。
そして、その結果(手前味噌ですが)以下のような成果を挙げることができました。
- 1ヶ月で10名入会したピアノ教室
- 1ヶ月で30名近くが体験レッスンに参加したフラダンス教室
- 4ヶ月で、定員になった太極拳教室
- 15万円のチラシコストを削減し、しかも定員になった空手教室
- ほったらしでも毎月定員になるパン教室 etc
このように、業種が違っても成果が出せるのは、僕が「人を動かす文章パターン」を知っているからです。
特別、文才があるからではありません。
事実、学生時代の国語は5段階の3くらいでした(一応、文系でしたが大学は体育大学ですし…)。
そのような僕が、今回の紹介文を作成するにあたり何を考え、何をアドバイスしたのか?
その完成に至るまでのプロセスも含めて、僕の“頭の中”を披露させていただきたいと思います(スカスカの頭でないことを祈ります:苦笑)。
1.ヒアリング
まず、ポータルサイトがどういうものなのか?などを先生にくわしくお伺いしました。
そのために、先生に以下の質問にお答えいただきました(先生のご回答も含めて、紹介させていただきます)。
●紹介文を読んだ直後に、読み手にどんな行動を起こしてもらいたいですか?
(回答)
読んだ直後に即「習いたい!」とレッスン申込みの連絡が入る。
または、体験レッスンの申し込みが入る。教室HPを熟読して欲しい。
●どんな方に、その紹介文を読んでもらいたいですか?
(回答)
これからピアノを始めたいお子さん(できれば未就学児。)
親御さんも教育熱心でピアノを習わせることに興味・関心を持っている。
●紹介文で何を伝えれば、読み手は上記の行動を取ってくれると思いますか?
(回答)
・何といっても楽しいレッスンを提供
・どんな小さなことでも生徒さんの良いところを見つけほめて育てるレッスン
・小さな「出来た!」をいっぱい経験して貰えるレッスン
・ひとりひとりの生徒さんの個性を大切に丁寧に向き合うレッスン
●先生が、読み手に一番伝えたいことはなんですか?
(回答)
ピアノを通して音楽大好き人間を育てます!
そして、強い心と喜びの心を育てていく教室です。
(ヒアリングここまで)
ヒアリングは、いわば情報収集です。
情報は、多すぎることはありません。
なので僕は、どんな些細なこともできるかぎりくわしく伺うようにしています。
2.目的の明確化
先のヒアリング項目にもありましたが、読み手が紹介文を読んだ直後にどんな行動を取ってもらいたいか?を明確にします。
ポイントは「読んだ直後」です。
この機会を逃すと、読み手はこちらが望む行動を起こしてくれることはありません。
僕は、今回の紹介文の目的は「ホームページへのリンクをクリックしてもらうこと」と考えました。
紹介文の文字数は、150文字しかありません。
それで入会を促すことは、難しいと判断しました。
けれど、ホームページのリンクをクリックするのを促すことは入会を促すよりも容易だと考えたんですね。
そして、ホームページをクリックする方は教室に通う見込みの高い方だと推測しました。
なぜなら、このポータルサイトは市区町村ごとにページが分けられていたんです。
つまり、この先生の紹介文のページをご覧になる方は、先生の教室の地域にお住まいの方である可能性が高いと思ったんです。
見込み客は、2つの条件を満たした人
無料ポータルサイトであれ、他のネット集客であれ、はたまたチラシやポスティングなどのアナログ集客であれ、教室に集客する場合には情報が見込み客に届く必要があります。
そして、見込み客とはつぎの2つの条件を満たした人であると、僕は考えています。
- 先生のレッスンを習いたいと思っている
- 先生の教室に通える地域に住んでいる
今回のケースであれば、ピアノ教室専門のポータルサイトですのでそのページを見る方はピアノ教室を探している人である可能性は非常に高いと思われます。
そして、市区町村ごとにページが分かれているということは、そのエリアでピアノ教室を探している(=通える地域に住んでいる)である可能性も高いと言えます。
以上の理由から、今回のポータルサイトをご覧になる方は先生の教室の見込み客であると判断しました。
ホームページから体験レッスンへ
ホームページでは、見込み客の方が知りたい情報が十二分に伝えられています。
そして、これまでの実績からホームページに来てもらえれば文章を熟読してもらえるだろうと想定しました。
その結果、体験レッスンに来てもらえる確率は一気に高まるだろうと考えたんです。
そして、体験レッスンに来てもらえれば(いつものながれで)入会してもらえることも想定できました。
上記を整理しますと、つぎのようになります。
ポータルサイト(紹介文)からホームページへの誘導を促進
↓
ホームページから体験レッスンへの参加を促進
↓
体験レッスンを経て入会
このように、入会までのながれをあらかじめ想定しておいたんです。
こうすると、紹介文の目的も明確化しやすくなります。
また同時に、ホームページや体験レッスンの目的も明確になりますね。
3.ライバルチェック
「ポータルサイト」ということは、他の教室の紹介文も掲載されています。
だとしたら、他の教室が魅力的な文章を書いていたら、読み手はそちらの教室のほうに興味を抱くかもしれません。
その場合には、よりこちらの教室が魅力的に伝わる文章を書くことが求められます。
そこで、先生が紹介される予定のページをチェックしたんです。
そして、他の教室さんの紹介文を拝見したんですね。
それを見ておいたおかげで、他とは一風違った紹介文にできたと思います。
4.読み手が行動を起こす理由とは?
今回のような紹介文にかぎらず、どんな文章も人が動く理由とは“ひとつ”しかないと僕は思っています。
それは「自分にとって得がある」と感じられたときです。
これを、専門用語では「ベネフィット」と言います。
そこで、先生にヒアリングした質問につぎのような内容がありました。
●紹介文で何を伝えれば、読み手は上記の行動を取ってくれると思いますか?
(回答)
・何といっても楽しいレッスンを提供
・どんな小さなことでも生徒さんの良いところを見つけほめて育てるレッスン
・小さな「出来た!」をいっぱい経験して貰えるレッスン
・ひとりひとりの生徒さんの個性を大切に丁寧に向き合うレッスン
ちょっと辛口ですが、上記の回答では読み手が行動を起こしづらいと思います。
なぜなら、上記の回答では「ベネフィットを感じづらい」からです。
読み手が知りたいこととは、上記のレッスンを提供した結果「どんな得が私にあるの?」なんですね。
ちなみに、ヒアリングにおいて紹介文を読まれる方をつぎのような方と想定していました。
●どんな方に、その紹介文を読んでもらいたいですか?
(回答)
これからピアノを始めたいお子さん(できれば未就学児。)
親御さんも教育熱心でピアノを習わせることに興味・関心を持っている。
これも踏まえると、読み手がベネフィットを感じることはつぎのことだと思うんです。
(上記のレッスンを通じて)
・ピアノが上達する
・ピアノが楽しくって、笑顔が溢れる
生徒さんは、未就学児(の想定)なのでね、親御さんもそこまで躍起になって「何としても、ピアノ上達させてください!」とまでは思われないだろうと考えました。
つまり、紹介文でこの2つのベネフィットが伝われば、ホームページに来てもらえると考えたんです。
5.どんな行動を取ってほしいか?
読み手に取ってもらいたい行動を、具体的に記述しましょう。
それがあるかないかで、結果が大きく異なります。
例えば、ホームページへのリンクをクリックしてもらいたいなら「ホームページへのリンクをクリックしてください」と具体的に書くことが大切です。
では、紹介文です
以上を踏まえてできたのがつぎの紹介文です。
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子どもたちの笑顔を見に、ホームページへお越しください!
●●(地域名)にあります■■(教室名)では「できた!」を
いっぱい感じてもらえるレッスンを行なっています。
また、その成果はコンクール入賞などにも結実しています。
そんな子どもたちの笑顔いっぱいの写真を、ホームページの
リンクをクリックしてご覧ください。
————————————————
上記で、ちょうど150文字になります。
ちなみに、はじめに200文字くらいの文章を作成しました。
そこから、150文字に収まるように編集を行いました。
補足ですが、ベネフィットのひとつである「笑顔が溢れる」は少しウラ技的な表現にしました。
「ホームページに、子どもたちの笑顔いっぱいの写真がある」と伝えることで「レッスンを通じて笑顔が溢れる」ことを想起してもらえるように表現しました。
このあたりは、文字数との兼ね合いで難しかったところですね。
また「ホームページにお越しください!」と冒頭に打ち出したのは、他教室の紹介文とは一線を画すインパクトを与えたかったからでした。
やはり、150文字の紹介文と言えど読んでもらえるとはかぎりません。
ですので、できるかぎり読み手の興味を高めたり読みたくなる工夫を心がけました。
ネット集客を戦略的に実行する
今回のように、紹介文をネット集客の1ツール、1プロセスと捉えると、いつもとは変わった使い方ができることがあります。
そして、現代のネット集客は戦略化していると言えます。
今回のように、ポータルサイト~ホームページ~体験レッスン~入会といった一連のながれ(仕組み)で集客するほうがうまく行く確率が、高くなっているんです。
そして、ネットだけでなくアナログ(=体験レッスン)も組み合わせて仕組みを構築していることがポイントです。
例えば、先生の教室はどのようなながれで生徒さんが入会されていますか?
もしくは、理想的な入会までのプロセスとはどんなものでしょう?
それを書き出してみて“見える化”するのも、集客力を高めることにつながるはずです。