今から15年くらい前のことです。
ネットで「元探偵が教える浮気調査マニュアル」という本が販売されていました。
本と言っても、当時はまだAmazon Kindleもない時代です。
ですので、PDFファイルにまとめられたものが「Eブック」などと言われていました。
それでですね、その浮気調査マニュアルがですね。
当時、バカ売れしていたんです。
バカ売れしたきっかけとは?
当時僕は、販売者の知人の方と親しくさせていただいていたんですね。
その方から聞いたところによると、最盛期には月に100~200万円ほど売れていたそうです。
ちなみに、そのEブックは29,800円で販売されていたと記憶しています。
しかし、販売をはじめたばかりの頃は、ほとんど売れていなかったそうなんです。
それが“あること”がきっかけでバカ売れしだしたんだそうですね。
その“あること”とは、何だと思いますか?
ちょっと考えてみてください。
考えられましたか?
その“あること”は…
「対象顧客を変える」
ことだったんです。
同じ商品でも対象を変えたとたん…
もともと、浮気調査マニュアルは探偵をめざしている方が対象だったそうです。
けれど、そもそも、世の中に探偵になりたい人がどのくらいいるでしょうか?
おそらく、探偵志望の方って超少数だと思うんです。
なので、対象顧客が少なすぎて売れなかったんですね。
そこで、販売者の方がつぎのように考えたそうです。
「そうだ対象顧客を、旦那さんの浮気に悩んでいる主婦にしよう」
これが当たったんです。
通常、探偵に浮気調査を頼むと日数にもよりますが、一回の依頼で十数万円するそうです。
しかし、それで浮気をしている確証がつかめるとは限りません。
そこで、つぎのように打ち出したんです。
「このEブックを読めば、主婦の方でも自分で浮気調査がいつでもできますよ」
しかも、探偵に依頼すると十数万円ですがEブックだと、29,800円なんです。
このように、対象顧客を変えることで人気商品に激変したそうなんです。
そして、先述のような売り上げを記録したんだそうです。
なぜ今、キックボクシングが女性に人気なのか?
何が言いたいのか?というとですね。
先生の教室およびレッスンも、対象とする生徒さんを変えることで集客がうまく行く可能性があります。
例えば、最近“キックボクシング”が女性に人気なのをご存知ですか?
モデルさんや、芸能人の方がキックボクシングのレッスン風景をInstagramなどにアップされているのをよく見かけるようになりました。
キックする動作って、下腹部の引き締めに効果的なんですね。
ですので、シェイプアップを目的として取り組む女性が増えているんだと思います。
しかし、もともとはキックボクシングって格闘技の印象が強かったと思うんです。
そのため、実際にキックボクシングをやる方って男性が多かったと思います。
でも、対象とする生徒さんを(女性に)変えると、同じレッスンであったとしても新しいニーズを満たすことにつながりました。
社会人が学ぶ、大学受験対策とは?
また、知人で、高校・大学レベルの数学をスカイプで教えている方がいます。
その方のところには、社会人やシニアの方も受講されているそうです。
もともとは、大学受験対策のための数学指導を目的にはじめられました。
なので、今でもメインの生徒さんは高校生なんです。
けれど、そういった活動をしていると社会人の方から受講希望の問い合わせが入るようになりました。
「昔から数学が好きでもっと数学ができるようになりたい」
そういった方が、受講されるのだそうです。
大手教室も対象顧客を変えている!
ちなみに、学習塾業界では「トライ」が「大人の家庭教師」というのをやっています。
英語・中国語などの語学レッスンや、資格レッスンギターなどの趣味のレッスンもあるそうです。
トライは、もともと子どもを対象とした家庭教師でした。
それを、大人を対象に変えたんですね。
これも、一種の対象顧客を変えた事例だと思います。
対象顧客を変えるときのコツとは?
以上を見ると“真逆”に対象を変えるのがミソのようです。
- 男性向けを、女性向けにしてみたり
- 子ども向けを、大人向けにしてみたり
- 個人向けを、法人向けにしてみたり
「“あえて”真逆を対象にしたとしたら…」
と発想するほうが、今までにないニーズに気づいたり、先生の教室およびレッスンにしかない独自の強みに気づきやすいんだと思います。
そのように、対象を変えたときに、従来のレッスンが、今までにはなかったニーズを満たすことがあります。
それによって、人気レッスンに生まれ変わることがあります。
新講座発想ワーク
ということで、今回は“アタマの体操”だと思って「“真逆の人”を生徒さんと考えたら、どんなレッスンができるだろう?どんなベネフィット(徳になること)を提供できるだろう?」と考えてみてください。
そして、アイデアが浮かんだら先生がすでに教室をやっておられて生徒さんがいらっしゃるなら、既存の生徒さんに聞いてみてください。
- (生徒さんが、大人の方だったら)「~~っていうお子さん向けレッスンを考えているのですが、参加してみたいですか?」
- (生徒さんが子どもだったら、お迎えのときに)「~~っていう、お父さん・お母さんが受けられる考えているんですが、参加してみたいですか?」
- または「これ(手紙)お父さん・お母さんに渡して」と言って、大人向けレッスンの案内のお手紙を持たせる
このように、身近にいる“見込み客”の方からアプローチすると集まりやすいですよね。
ニーズ調査にもなりますし。
以上のことから先生のレッスンには、無限の可能性が眠っています。
それは、対象とする生徒さんを変えることで目覚めることがあります。
ぜひ、その可能性の扉を開いてください。