“真逆”というのは、ヒットのカギを握っています。
2017年に「インスタ映え」が流行語大賞を受賞しました。
インスタグラムに投稿した写真の見映えがいいことや、見映えのいい写真を撮影すると「インスタ映え」すると言ったりします。
ですので、今やネットで調べればインスタ映えさせるテクニックや、インスタ映えした写真をたくさん見つけることができます。
中には、すごく手の込んだ“キャラ弁”をアップしている方なども見かけます。
また飲食店などでは、あえてインスタ映えするメニューを販売するケースもあるようです。
このように「インスタ映え」は、まさに流行、ブームと化しています。
しかし、そのようなブームというのは、決まって“真逆”もブームになる法則があります。
どういうことか?というと
実は「ハードコア弁当」というのも、インスタ映えとは真逆の“もうひとつブーム”なんです。
目次
真逆のビジネス戦略「ハードコア弁当」とは?
ピン芸人の「ホイップ坊や」さんという方が、ハードコア弁当を作っていらっしゃいます。
「ハードコア弁当」については、ぜひ、上記のツイッターをご覧ください。
見てのとおり「ハードコア弁当」は、ごはんの上にお惣菜を一品乗っけただけのお弁当ですw
でもそこに、ホイップ坊やさんのこだわり(味つけなど)があるんですね。
ある意味「インスタ映え」というかw
斬新かつシュールですよね。
昨今、流行っている「インスタ映え」とは真逆と言っても過言ではない写真たちです。
しかしですね、そのシュールさがウケて「ハードコア弁当」が本になるんです。

このように“真逆”というのはヒットのカギを握っています。
真逆の教室戦略!
以前、あるパン教室の先生からこんなご相談をいただいたことがありました。
他のパン教室では、パンを作った後に先生が作ったフルコースの料理も出てきて一緒に試食するんです。
ウチでは、さすがにフルコースのメニューは出せなくて…。スープとサラダくらいしか出せません…。どうしたらいんでしょう?
もちろん、そういった教室があってもいいと思うんです。
そして、そういう教室を好まれる生徒さんもいらっしゃると思います。
でももし、そういう教室が人気でたくさんあるとしたら、まったく真逆のパン教室をやってみるのもひとつの手です。
パン以外は、試食しない。
バターもジャムもつけない。
パンそのもののおいしさを“徹底的に追求”するパン教室。
そのためのパン作りの技術を“徹底的に身につける”教室。
そのような教室を求めている方も、必ずいると思うんです。
どんなことにも、必ずニーズが存在する!
例えば、先ほどの「ハードコア弁当」は
- キャラ弁やインスタ映え“疲れ”した方
- 忙しくて時間がない方
- 給料日前のサラリーマン
といった方たちから支持を受けているそうです。
そして、その支持を受けて出版化までされているんですね。
このように、どんなことにも一定のニーズは必ず存在します。
とりわけ、現代人のニーズは多様化しています。
ですので、いろんなニーズを持った方がいらっしゃるんですね。
そして、そのすべて方たちのニーズを満たすことは現実的ではありません。
であるならば先生は
- どんな生徒さんを対象として
- どんなレッスンを提供したいのか?
を明確に定めておかれたほうが現実的だと、僕は思います。
強みを活かした教室経営を行いましょう
もちろん、流行に対する感度の高い先生もいらっしゃいます。
そして、流行の変化に柔軟に対応するのが得意な方もいらっしゃいます。
そういう先生は、ご自身の特性を活かせばいいと思うんです。
逆に、ひとつの技術を洗練させつづけるのが得意な先生もいらっしゃると思うんです。
それ以外にも、先生にしかない特性って必ずあるんですね。
それは、教室にかぎらず、30業種以上の経営者さんを見てきて実感するところです。
いずれにしても、ご自身の強みを活かすことが大切です。
もちろん、周りの声や流行に耳を傾けることがあってもいいと思います。
けれど、振り回されることは避けるべきです。
そのためにも、先生の強みを活かした教室づくりを行いましょう。
強みってナンダ!?
では、そもそも「強み」とは何なのでしょうか?
僕は「強み」とは、つぎの2つの条件を満たしたものだと定義しています。
- 他のライバルの教室および先生には、提供できないこと(独自性)
- 生徒さんが「ぜひ、習いたいです」と思ってくれること(悩みの解決)
例えば「英語スクール」って、地域に数多くある教室のジャンルのひとつだと思います。
そうすると、ライバルが多いわけですよね。
であるなら、自教室に生徒さんを集めるためには、ライバルにはないレッスンを提供することも検討すべきだと思います。
なぜなら、ライバルと同じようなレッスンを提供していたとしたら、お客さまはたいてい以下のいずれかの理由で大手の教室を選ばれることが多いからです。
- 認知度(信頼度)が高い
- 近くにある
- 値段が安い
これを避けるためには「強み」を活かしたレッスンを打ち出すことが大切です。
お客さまの悩みとは?
ライバルとの競合を避け、かつ「ぜひ、先生の教室に通いたいです」と思ってもらうには?
それは「お客さまの悩み」にフォーカスすることです。
言い換えるなら「英語を習いたい」という方よりも「英語を習う必要性がある」という人にフォーカスするんです。
例えば最近、中学・高校で英検の取得を勧める学校が増えているそうです。
高校・大学受験において、一定の英検のグレードを取得している学生さんは受験で優遇措置があるそうなんですね。
そのため、英検を取得しておくと、今後の受験に有利に働くことがあるようです。
だから、学校も英検の取得を勧めるのですが、しかし学校では英検対策はしてくれないみたいなんですね。
学校の先生は、授業だけでなく教室運営や部活などにもお忙しいので、課外で英検対策の授業を設けることが難しいのが実情のようです。
つまり、ここに悩みが生じているんです。
学生さんにとって「受験を見据えて、英検を取得したい。でも、学校では教えてもらえないし、どう対策すればいいかわからない」ということが、悩みなんです。
悩みが深いほど、高価格帯レッスンになりやすい
そこで、英語スクールが「英検対策レッスン」を打ち出すと、生徒さんが集まりやすくなります。
英検に特化したレッスンを行うんです。
そして、英検に特化したレッスンを打ち出している教室は、意外と少ないと思うんですね。
ちなみに、人は悩みが深いほど、それをお金を払ってでも解決したいと考える傾向があります。
それを踏まえると「英検対策レッスン」は、従来の英語レッスンよりも高価格帯のレッスンとして成立しやすいと言えます。
なぜなら、従来のレッスンよりも英検レッスンを受けたい方は、悩みが深いからです(何としても合格したい!)。
このように、レッスン内容が高度化・専門家すると高価格帯にしやすくなります。
一般的に、高校よりも大学のほうが授業料が高額なのも、同じ理由です。
先生にしかない、強みを見つける方法
さて、ここまでをご覧いただいて、先生にしかない強みを見出し、そして強みを打ち出せそうでしょうか?
「私には、特別な強みなんてないわ」
そう思われた先生もいらっしゃるかもしれません。
しかし、僕のこれまでのコンサルティング経験から断言できることがあります。
それは、どんな先生にも必ず強みがあるということです。
必ずです(キッパリ!)。
そこで、先生にしかない強みが見つけられる効果的な方法をご紹介したいと思います。
それは「生徒さんの声」を集めることです。
すでに先生は選ばれています
すでに生徒さんがいらっしゃる先生の場合、その生徒さんたちは数ある似たような教室の中から、先生および先生の教室を選んでいるということが言えます。
生徒さんたちは、数ある教室の中から先生を選んでいるんですね。
そして、選ばれるには選ばれる理由が必ずあります。
それを生徒さんに聞いて、教えてもらうんですね。
もしかしたら「近かったから」という理由かもしれません。
でも、それだって立派な理由です。
そして「近かった」が教室を選ぶ理由なら、教室の近隣にポスティングをするなどの認知活動を行えば、それだけ生徒さんが集まる可能性が高まります。
ちなみに、生徒さんにしてみれば「教室に通わず、自宅で学習する」という選択肢だってあったわけですよね。
本屋さんで教材を買って学んだり、また最近では、どんなジャンルのレッスンもYouTubeなどの映像で学べる機会も増えて来ています。
そのような状況下で、生徒さんたちが先生の教室に通っていることは、実はものすごいことなんですよね。
重要:先生の強み理由がわかる”たったひとつ”の質問
僕は、クライアントの先生には、先生の強みを引き出すため「魔法のアンケートシート」をお渡ししています。
そして、それを生徒さんに渡して、回答していただいているんですね。
「魔法のアンケートシート」についての詳細は割愛しますが、その中でもっとも重要な質問が以下です。
Q.他にも、似たような教室があるにも関わらず、当教室を選ばれた一番の決め手は何ですか?
ぜひ、この質問を生徒さんに投げかけてみてください。
そしてこの質問の回答が、先生にしかない強みを引き出してくれます。
例えば、僕のクライアントさんで、ピアノ教室の先生の場合「個別レッスンだから、いつも子どものペースに合わせてレッスンしてくださる」といった回答が数多く寄せられました。
ちなみに、こちらの先生に伺うと近隣には大手の音楽教室があり、そちらは一斉クラスなんだそうです。
また、空手教室の先生の場合「空手だけでなく、あいさつや礼儀なども教えてもらえる。親が言っても聞かないけれど先生の言うことならちゃんと聞く」といった回答がありました。
つまり、空手のみならず将来に渡って必要な“生きる力”を身につけさせてくれることに、親御さんたちはニーズを感じておられるのだと思います。
強みを打ち出した結果…
ちなみに、上記のピアノ教室の先生は強みとして「個別レッスン」を打ち出した結果、1年間で生徒数が倍増しました。
また、その後も月謝を値上げしても生徒さんが喜んで通っておられるそうです。
そして、空手教室の先生はチラシを撒かなくても生徒さんが集まるようになりました。
チラシを撒くのにかかっていたコストが15万円だったそうです。
それを、春と秋に撒いておられたので、年間に30万円かかっていたコストが削減できました。
これが、強みを打ち出すことの効果です。
さて「ハードコア弁当」からはじまり、強みの重要性、そして強みを打ち出す効果にまでお話がおよびました。
いずれにしても「強み」が、ビジネスを大きく左右します。
ぜひ、先生にしかない「強み」を見出して、それを最適な媒体や表現で打ち出してみてください。