わが家は、今引っ越しの準備中です。
本当は昨年の結婚を機に、引っ越しを計画していました。
しかしその時期には、こちらの条件に見合う物件がありませんでした(例:ペット可など)。
そのため、奥さんがもともと住んでいたマンションで暮らすことになったんです。
しかし更新期限が来たため、このタイミングで引っ越しをすることに。
実は今日は、その引っ越しで経験した、とても大事なマーケティングのお話しをしたいと思います。
目次
鉄則:価格の前に●●を伝える!
いざ引っ越しを準備しはじめたとき、まずネットで引っ越しの一括見積もりをしたんです。
そうしましたら、複数の引っ越し会社さんが見積もり訪問にやって来られました。
どの会社さんも、つぎのような流れで見積もりを取られます。
- 1.運搬する荷物のチェック
- 2.引っ越し希望日
- 3.価格
結論的なことを先に言ってしまうと、この流れだと僕ら“引っ越しの素人”にとっては「価格」しか“判断材料”がありません。
帰らせてもらえない営業マン
「価格」しか判断材料がないと、僕としては「●●さん(別の会社)は、¥●●円でした(見積もり金額)」と伝えざるを得ませんでした。
「価格」しか判断材料がなければ、安いほうがこちらとしては“いい条件”になるからです。
そうしますと、一社の営業マンは上司に価格交渉の電話をはじめました。
どうも電話の向こうで、上司の方が「受注するまで帰って来るな」的な発破をかけているのが伝わってきます。
そして電話を切った後、その営業マンがつぎのような行動をとりはじめました。
順番を間違えると反応しない
電話を切った後、営業マンは自社の引っ越し業務の特長について語りはじめました。
(パンフレットを見せながら)
- 引っ越し会社の老舗、最大手であること
- 引っ越しの際に、清掃などのサービスを行なっていること
- 引っ越しにかかる諸手続きを代行すること
- 洗濯機などの設置・接続等を代行すること
- ご近所さんへの挨拶を代行すること
- 搬送時の破損等を保証していること etc
また上記以外の内容も含め、他社さんとの違いなども交えてお話しされました。
実はこのとき、僕の中では少し心が動きました。
少々値段が高くても、単に引っ越しの搬出から搬入までをするだけじゃない。
快適に新生活をスタートさせるためのサポートと捉えるなら、価格に見合うだけの『価値』があるんじゃないか?
鉄則:価格の前に【価値】を伝える!
最終的には、申し訳なかったのですがその会社さんはお断りさせていただきました。
ただ、ものすごいギフトを僕自身に実体験としてもたらしてくれました。
ときどき、このメルマガでもお伝えしていますが、お客さまは、私たちの業界の専門家ではありません。
ピアノ教室の専門家ではないし、パン教室の専門家でもない。
英語スクールの専門家でもないし、ヨガスタジオの専門家でもない。
ですからお客さまは、たくさんある教室のそれぞれの違いがよくわかりません。
つまり教室を選ぶうえでの「判断基準」を持っていません。
ただ唯一、誰もが持ち得る「判断基準」が「価格」になります。
そうなると、価格でしか判断せざるを得ないため、どうしても価格の安いほうが選ばれやすくなります。
それらを踏まえると、お客さまには私たちが「判断基準」を教えてあげる必要があります。
“教えてあげる”と言っても、それは決して上から目線なことではありません。
「判断基準」とは、別の言い方をすると『価値』と言えます。
お客さまに、しっかりと先生および教室の「価値」を伝える。
それが「判断基準」を教える、ということと同じ意味を持ちます。
そして「価格」を伝える前には、“必ず”『価値』を伝え切らなくてはいけません。
これは引っ越し会社の営業であっても、教室の生徒募集であっても同じだと言えます。
価値とは?
- 先生の教室の特長は何か?
- 先生はどんな想いで、教室を運営しているのか?
- 先生の教室に通うことで、どんなスキルが身につくのか?
- そのスキルがどのくらいの期間で身につくのか?
- そのような指導実績を証明することはできるか?
- 生徒さんは、どんな悩みを持っているのか?
- 生徒さんは、どんなときにその悩みを感じるのか?
- 先生の教室およびレッスンが、なぜその悩みを解消できるのか?
- 教室を選ぶうえで、問題があるとしたらそれはどんなことか?
- すでに通っている生徒さんは、なぜ先生の教室を選んだのか?その理由は?
- レッスン内容以外にも、生徒さんに喜ばれている点は? etc
上記に挙げた質問の回答が、先生の教室にしかない「価値」や教室選びの「判断基準」になります。
上記以外の価値も、伝える必要があるかもしれませんが代表的な項目を挙げてみました。
「価格」を伝える前に必ず「価値」を伝えなくてはいけません。
この順番が、逆になってしまうといくら価値を伝えたとしても反応が取れません。
(今回の引っ越し会社さんのように・・・)
鉄則:価格の前に【価値】を伝える!(重要なのでくり返し)
価値をしっかりと伝え切ることができたとき、お客さまは「価格」だけで教室を選ぶことはありません。
すべてのお客さまが「価格」を最重視しているわけではありません。
中には「判断基準」が「価格」しかないために価格で選んでいるケースもあります。
ですので、先生の教室においては、ぜひ『価値を“伝え切る”』ようにしてください。
すべて伝え切る!
そしてもう“伝えることがない”、という段階で価格を伝えるようにしましょう。
価格の前に【価値】を伝える!
これは、本当にネット集客において重要なポイントです。
たとえ記憶喪失になったとしても忘れたくない「ネット集客の鉄則」と言えます。