数年前に「もしドラ」が流行りました。
正式なタイトルは「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」です。
このタイトルにも出てくる「ドラッカー」という人物。
ご存知の方も多いと思います。
マネジメントの父と呼ばれた経営学者の方です。
ドラッカーさんの著作には、こんな一説があります。
「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」(『マネジメント』P・F・ドラッカー)
これを僕は、以下のように解釈しています。
売り込みをなくしましょう。お客さまのことを理解し、お客さまのほうから「ぜひ買いたい」と言って来る商品・サービスを提供しましょう。
生徒さんが望むレッスンとは何か?
「段取り八分」という言葉があります。
「事前の準備が抜かりないものであれば、その取り組みの8割は完了したも同然になる」という意味です。
マーケティング上の「段取り八分」とは、ドラッカーさんが言う「顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすること」を指すと言えます。
ただ闇雲にネットで、ご自身の教室について情報を発信するのではなく
- どんな人を対象としていて
- どんなレッスンを行なっていて
- そして受講することでどうなれるのか?
について、しっかりと精査し見極めたうえでホームページやブログで発信して行く。
そうすると“本当に”おのずと売れて行く(=生徒が集まる)ようになります。
なぜならそれは、先生が提供したいレッスンではなく、実際に通う生徒さんが求めているレッスンを提供するようになるからです。
こういった状態のとき、例えばピアノ教室であれば実際に通われる生徒さんは「ピアノ教室に通いたい」からではなく「○○先生の教室に習いたい」から、先生の教室に来られるようになります。
さらには、地域性が一気に広がることがあります。
遠方からも通ってくれる生徒さんが出て来ます。
事実、僕のクライアントさんには、そのような“地域性がなくなった”スクールがあります。
ですから、
- 「生徒さんが望むレッスンを提供すること」
- 「生徒さんが望むレッスンとは何か?」
をつねに考えることは、とても大切です。
そしてそのような情報を、ホームページなどできちんと発信できるよう段取りをしておきましょう。
情報を発信するための段取りとして
今よりも、一段でも二段でも生徒さんのことを深く理解できるようになることが大切です。
そこで「生徒さんに対する理解を深める質問」を下記に5つ挙げてみました。
- Q.先生の教室に通っている生徒さんはどんな方たちなのか?
- Q.その方たちは、どういう動機でレッスンを受けようと思ったのか?
- Q.どういうレッスンを要望しているのか?
- Q.なぜ先生のレッスンは、生徒さんの要望に応えられるのか?
- Q.生徒さんたちは、先生のレッスンのどんな点を気に入っているのか?
こういった質問に、考えを巡らすことが生徒さんを、今よりも深く理解することにつながります。
ピアノ教室さんクライアントさんの実例
その教室の生徒さんは、以前、一斉クラスの教室に通っていた方が、こちらに代わって来られていました。
一斉クラスだと習熟しないままレッスンが進んで行くことがあったため、個人指導のレッスンを受けたい要望があったのです。
そこで、クライアントさんの教室では個人指導をやっていたため、希望して代わって来られたそうです。
個人指導を受けたい生徒さんに、個人指導のレッスンを提供する。
ということで「個人指導のピアノ教室」ということを明確に打ち出すことによって、大きく生徒数を伸ばされました。
すごくシンプルなんですが、これは生徒さんのことを“ほんの一段”深く理解したことよって成功した好例と言えます。
ぜひ、先に挙げた質問の答えを考えてみてください。
先生の教室の特長や選ばれている理由が、再発見できるはずです。