「お客さんは取ったアカン」というお話です。
先日、友人のパン屋さんに行ったときのことです。
「○○っていうパン作ってよ」
友人なので、ときどき自分が食べたいパンを商品化してほしいと
リクエストすることがあります。
彼の中でできそうならまず作ってみて、何度も試作を重ねて、
商品化できそうなら店頭に並びます。
それで、某コンビニで売っていたボクが好きなパンを
作ってほしいとお願いしたのです。
味は間違いないお店なので、同じ物を作ったらおそらく
彼のほうがおいしいだろうし、人気が出ると思ったからです。
ま、半分冗談みたいなカンジで言ったのですが、
けれど、ちょうどそこに居合わせたパートのおばちゃんが言った
つぎのひと言に考えを改めさせられました。
そのひと言とは・・・
「そんなん、お客さん取ったアカン!」
ボクがそのひと言を聞いて、すぐに感じたことは、
巡り巡って自分に返ってくる
ということでした。
同じようなパンを作ること自体は、問題ではないと思います。
だって、クロワッサンはどこのパン屋さんにもありますし、
食パンだって、バケットだってあります。
けれど、パンを作って相手(ライバル)のお客さんを
奪おうとすることはいけません。
シェアを奪い合う競争には、怒りや憎しみがつきまといます。
奪われる側に、大きな怒りを与えることになります。
そうすると、いずれ自分が奪われることになるかもしれない。
怒りや憎しみが増幅されれば、シェアどころか命までもが
奪われることも実際に起きていますね。
また、直接的にライバルにシェアを奪われなくても、
社員が経費を横領したり、経営者自身が体を壊して入院したりと、
結果的に利益を減らしてしまうことが起きたりします。
このように、
自分がしたことが必ず巡り巡って自分に返ってくる。
それがこの世の中のしくみだとボクは思います。
だったら、いいことをしてたくさんいいことが
自分に返ってくるようにしたいですね。
そのためには、シェアを奪い合う「競争」ではなく、
シェアを分かち合う「共創」が大事です。
○○がほしかったらAさん。
▲▲がほしかったらBさん。
□□がほしかったらCさん。
互いの違いを認め合い、それぞれが特徴的な魅力ある商品を
お客さんに提供し、
それぞれがそれぞれのシェアを生み出して行くような
「共創」をしたいなと思います。
共に創ろう。